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原発を推進してきた側からの、自己批判
2011-04-18-Mon  CATEGORY: ニュース
原発事故の影響は拡大の一途をたどっています。政府と東電の対応は泥縄で、定見もないため住民から猜疑の目で見られています。政府も東電も、事前に重大事故の危険性を警告されていたにもかかわらず無視しましたし、初動も判断に誤りがありました。その責任は、何らかの形で追及が必要です。飯舘村などは、結局避難することになりました・・・判断が遅すぎです。こんな状況で、誰が住民を守ってくれるというのか?

さて、今回は原発を推進する立場の学者たちから語られる自己批判を紹介します。原発に対して賛成であるか、反対であるかは安全性の問題においては、あまり重要でありません。どちらの立場にしても、安全性の担保は共通する課題だからです。賛成する側は「安全性のために最大限努力するから」賛成しますし、反対の人は「安全性が保障されない」からこそ反対します。もっとも大切であったはずの安全性を、今後どのように担保するか・・・考えるにはよい材料と思います。

以下、引用

原発推進学者が次々懺悔 「国民に深く陳謝する」

東京電力の福島第1原子力発電所の深刻な事故を受け、政府の原子力安全委員会の歴代委員長を含む原発推進派学者の重鎮たちが原発の「安全神話」崩壊に懺悔を繰り返している。特に元原子力安全委員長の松浦祥次郎氏や前原子力委員会委員長代理の田中俊一氏ら原発推進の学者16人がこのほど、異例の緊急提言を行った。

原子力の平和利用を先頭だって進めてきた者として、今回の事故を極めて遺憾に思うと同時に国民に深く陳謝する」との謝罪を前面に掲げた提言の内容は政府や東電の発表よりも今回の事故を深刻に受け止めており、緊迫感が伝わってくる。

大量の放射能を閉じ込めるのは極めて困難、と認める

私たちは事故の推移を固唾を飲んで見守ってきた。しかし、事態は次々と悪化し、事故を終息させる見通しが得られていない」「膨大な放射性物質は圧力容器や格納容器内に拡散・分布し、その一部は環境に放出され、現在も放出され続けている」 「特に懸念されることは溶融炉心が圧力容器を溶かし、格納容器に移り、大量の水素ガスの火災・爆発による格納容器の破壊などによる広範で深刻な放射能汚染の可能性を排除できないことである

提言は、水素爆発などで格納容器が破壊され、放射性物質が長期にわたり国土を汚染する可能性を指摘している。日本を代表する学者たちが、チェルノブイリ原発事故級の最悪の事態を想定していることがわかる。

16人は東京大学名誉教授、京都大学名誉教授、東京工業大学名誉教授など錚々たるメンバーで、原子力安全委員会や原子力委員会の歴代委員長や委員を務めるなどした日本を代表する原子力の専門家たちだけに、発言には重みがある。

特に気になるのは、「当面なすべきことは原子炉及び使用済み核燃料プール内の燃料の冷却を安定させ、大量の放射能を閉じ込めること。これを達成することは極めて困難であるが、これを達成できなければ事故の終息は覚束ない」と述べた点で、有効な解決策を見いだすのが難しいことを自ら認めているとも受け取れる発言だ。

2011年4月1日、会見した田中俊一氏は「原子力の平和利用を進めて、まさかこういう事態、これほど国民に迷惑をかけるような事態は予測していなかった。結果的にこういうことになっていることについて、原子力を進めてきた人間として、国民に謝らなくてはならないという気持ちは、みんな持っていると思う」と心境を明かした。

田中氏は提言をまとめた理由について「(我々は)余計なことを言わなくてもいい年齢だけれども、黙っていられないと。とにかく早くこの状況を抜け出して頂きたいという思いでまとめた」と述べた。学会で地位も名誉もある学者たちが、自分たちのこれまでの仕事を全否定するような今回の提言や会見が、事故の深刻さを物語っている

原子力安全委員会では、歴代OB、現役首脳も自己批判

提言は、最後に事態打開策について「当面の難局を乗り切るためには、関係省庁に加え、産業界、大学等を結集し、我が国がもつ専門的英知と経験を組織的、機動的に活用しつつ、総合的かつ戦略的な取り組みが必須である」と指摘する。

提言に加わっていない原子力安全委員会前委員長の鈴木篤之氏(日本原子力研究開発機構理事長)も4月6日、衆議院経済産業委員会に招致され、「国民にたいへん申し訳ない。私にとって痛恨の極みだ。この事故を反省し、よく考えていかないといけない」などと反省の弁を述べている。

原子力安全委員会では、歴代OBに限らず、現役首脳も自己批判に追い込まれている。斑目春樹委員長は、やはり6日の衆議院経済産業委員会で、「今回の事故を深く反省し、二度とこのようなことが起こらないよう指導していきたい」などと弁明に懸命だった。

(引用ここまで)

以下、私見を。

安全性は、技術力だけで担保するわけではありません。運用する人が安全性を最重要視することが、何よりの前提です。政府も東電もしきりに「想定外」と口にしていますが、事故前から重大事故の危険性を指摘し、警告していた人がいます。想定外というのはでたらめで、彼らは「自分に不都合な警告だから無視した」というのが正しい答えです。そうした意思決定が抑止されなかったことが、今回の事故の大きな原因となりました。

意思決定の誤りを抑止するためには、外部に強力な監視者が必要です。また、利害関係を持つ人間は相手に便宜を図ることが予想されるから、排除する必要があります。今回の件では政府や東電の不作為を是正する仕組みがなく、原子力にかかわってきた人間はだいたい利害関係で「汚染されて」いました。これが改善されない限り、安全性など夢のまた夢・・・そう考える必要があります。
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