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(震災と医療報道)不確かなデタラメ記事の弊害
2011-03-19-Sat  CATEGORY: 医療崩壊
震災で患者だけではなく医療者も被災者になってしまいました。事態は切迫しており、医療者の行動は常にギリギリの判断を迫られています。不確かな情報に基づき一方的に言い募る行為は、社会全般に対して有害です。

今回は、こちらを取り上げます。福島で問題だと報道された「患者置き去り」(事実はもちろん異なります)についての意見です。

松永英明様「絵文録ことのは」より

福島県大熊町の「双葉病院」で、医師・看護師が患者を見捨てて逃げていた、という報道がなされていたが、実際には現場の状況は大きく異なることがわかった。これは、病院関係者の家族によるツイートもあり、また後発の報道でも(見出しは悪意あるものの)内容的には「患者を置き去りにして職員だけが逃げた」というような悪評を完全に否定するものとなっている。

現地での直接取材はかなわないが、当事者のツイートなどを「Togetter - 「福島・双葉病院「患者置き去り」報道に関する情報」」にもまとめてみた。若い人なので表現が至らないところもあるようだが、その趣旨を酌んで以下、簡潔に状況をまとめてみたい。

少なくともマスメディアは名誉回復を全力で行なうべきだと思う

• asahi.com(朝日新聞社):患者避難、医師ら付き添わず 21人死亡の双葉病院 - 社会

• 東日本大震災:福島・避難の高齢者14人死亡 救助時、患者のみ82人--入院の病院 - 毎日jp(毎日新聞)「医師、職員らは不在」

もともと福島県による発表を受けて横並びの報道がなされたものだが、福島県の訂正発表を受けて、一部の報道は現在削除されている。

• 時事ドットコム:「避難時に院長いた」=福島県が訂正発表

しかし、訂正後も病院関係者を非難する論調が残っているものが多い。読売の報道では、本文で事実が明らかになっているものの、タイトルが名誉を損なうものとなっている。また、河北新報は古い情報のまま、非難口調をさらに強めている

• 福島・双葉病院、患者だけ残される : 医療ニュース : yomiDr./ヨミドクター(読売新聞)

• 河北新報 東北のニュース/院内に高齢者128人 医師ら置き去り?避難指示の双葉病院

3月18日の訂正後の報道にも関わらず「県の担当者は「なぜ入院患者だけがいたか、現段階では分からない。避難する中で混乱が起きることはあるが、もし高齢者だけを置いて避難したとしたら許せない」と話している」とさらに煽る文章となっている

このような状況の中、最初の報道をそのまま受けて双葉病院の職員が逃げたかのように思ったままの人も少なくないと思われるので、簡潔にまとめておきたい。

< 双葉病院で起こったことのタイムライン >

以上、報道ならびに関係者のツイートに基づくまとめにすぎないことはご了承いただきたい。(@supergirl5jrhさんの追加ツイートに基づき15:50追加・修正あり)

• 2011年3月11日14時46分:大地震発生。
◦ 福島県大熊町・双葉町にある福島第一原発が緊急停止。
◦ 福島県大熊町の双葉病院と介護老人保健施設ドーヴィル双葉で患者・職員が孤立。福島第一原発から約3キロ離れている。
• 3月12日5時44分:福島第一原発の避難指示の区域を、これまでの半径10キロメートルに拡大。双葉病院・ドーヴィル双葉が避難区域に含まれることとなった。
◦ 午前:大熊町役場まで双葉病院スタッフが患者を搬送したが10分後には双葉病院に戻された(理由は不明)。
◦ 昼休み:外出した双葉病院スタッフが、防護服を着た誘導者に対して「なぜ双葉病院は誘導しないのか」ときいたところ、「いやもう誘導したはずです」と回答。そこで初めて双葉病院の患者が避難していないことが判明した。そこで急遽バスが派遣されることとなった。
◦ 14時すぎ:大熊町役場が福島交通の大型バス5台を派遣したが、患者・搬送者・護送者を乗せることができなかった。また、救援に来たバスは普通の大型バスであったため、車いすや寝たきりの患者は搬送できなかった。
◦ 15時36分:福島第一原発第1号機で水素爆発。残された人たちは被爆した。
• 3月14日昼前:自衛隊が同病院への救助に到着。患者・施設入所者130人を救出。その他、自力で脱出した人もいた。患者98人と院長ら職員4名、警察官が残り、自衛隊が再び救援に来るのを待つ。
◦ 二度目に自衛隊が来るという時間になっても来なかった。
• 3月15日午前1時ごろ:一緒に残っていた警察官から避難するよう求められ、院長ら職員4人は患者を置いて、警察官とともに隣の川内村に避難した。そこで合流した自衛隊と共に病院に向かおうとしたが、避難指示の対象地域のため、自衛隊だけで向かうことになった。院長は「日付が変わり、警察官から避難を求められた。どうすることもできなかった」と述べている
◦ 午前7時:中野寛成国家公安委員長は15日の閣議後会見で、午前7時現在「(退避指示が出されている)20キロ圏内では、15日午前7時現在で、病院にいる96人を除いてほとんど完了している」と述べた。 防衛省によると、陸上自衛隊が陸路で96人をいわき市の避難所に移送する予定。(人数が食い違っているが報道ママ)
◦ 午前から午後:自衛隊が残された患者を搬送(第2回・第3回)。この際「病院関係者の付き添いはなかった」と福島県が発表し、「患者を見捨てて置き去りにして逃げた」という趣旨の報道が流れる原因となる(各報道機関横並びで福島県発表のみを報道)。搬送中・搬送後に計21人の患者が亡くなった。
• 3月17日:双葉病院主任が父だという@supergirl5jrhさんがツイッターで報道に反論するツイートを開始。夜、福島県が「避難時に院長いた」と訂正発表。
• 3月18日:院長への取材内容が報道され始める。

(報道の数字が混乱していて、合計数がなかなか合わないが、これらは追って整理されるものと思う)

以上の流れをもう少し簡単にまとめると、「自衛隊が来るが、寝たきりや車いすの患者が搬送できず、一旦戻る」→「2度目の救援が来ない」→「一緒に残っていた警察の指示で職員が川内村に避難」→「自衛隊と一緒に病院に戻ろうとする」→「避難地域なので一緒に行けない」→「自衛隊だけが救援に」→「2・3回目の搬送の際、病院関係者は誰も現場に居なかった」→「職員が患者置き去りで逃げたと報道」という流れになる。

これでは「職員が患者を見捨てて逃げた」とは絶対に言えない(警察の指示でやむなく避難させられたのであって、再び)。こんな報道をされたら、一生懸命がんばっていた職員に対する名誉毀損にしかならないと思う

このような報道被害が繰り返されないよう強く願う。

(引用ここまで)

リンクは記事がある分だけつないでいます。つぎはぎだらけの情報の中で、勝手な推測で「職員だけが逃げた」という話を作り上げたことについては、確かに問題があります。やってしまったことは仕方ありませんが、その後訂正し謝罪するくらいは、最低限する必要があります。常時から医療者はマスコミ関係者に目の敵にされており、いわれもない名誉棄損の被害を受けることは多々ありますが・・・これはあまりに酷いと考えます。
重要なことですが、医療者は病院の患者だけ診てればいいわけではありません。地域の住民全員が、彼らをあてにしています。こんな時期だから、医療者の労苦は通常以上に激しいものがあるはずです。文字通り身を削って働いておられる人たちに対して、よくもまあこんな中傷を投げかけたものではあります。医療者ひとりの身に間違いがあれば、地域の住民全員が危機に直面します。それはここ数日のニュースでよくわかることのはずですが。

まあ、他人を叩けば飯のタネになる彼らマスコミ人に、それ以上は期待しない方がいいでしょう。ただし、こんな非常時に悪質なデマを垂れ流し、地域に要らざる断裂をもたらそうとする行いについては、厳しい非難の必要があります。そのことだけは、書いておこうと思います。
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コメント

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報道
コメントゆき | URL | 2011-03-30-Wed 15:21 [EDIT]
河北新報購読者です

双葉病院の件が、ずっと気になっていました。

今日ネットで調べ、誤報と知り、ショックを受けてます。

ページの都合もあるのだろうけど、やっぱり謝罪と事実を発信してほしいです。
ゆき様へ
コメント鴛泊愁 | URL | 2011-03-31-Thu 20:07 [EDIT]
コメント、ありがとうございます。新聞の書きなぐりはよくあることですが、訂正と謝罪を正当に行った例が果たしてどれだけあるのか疑問です。どうしても気に入らなければ「購読中止」してあげればいいので、そうしてみてもよいかと思っています。

まあ、この件ですが、どこぞの夕刊紙がこれ以上の悪質な中傷文を書きなぐっていますから、それに比べればまだましかと。この国のマスコミのレベルなど、その程度なのかもしれません。
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