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(イレッサ訴訟)将来に、禍根を残す判決
2011-02-25-Fri  CATEGORY: 医療崩壊
今回のエントリーについては、こちらも参照していただけたらと思います。

1月26日のエントリー

結論から書きますが、このような判決文となることは確かに十分予測してましたが、本当にそうなってみて深い失望の念を禁じえません。海外からの新薬輸入も、国内での新薬開発も、この判決により大きく後退することは想像に難くありません。今回のように一部副作用が出てしまった患者の側を立てた場合、それ以外の患者の利便が失われます。何度か書いたことですが、80%の割合で助かる薬を残り20%のために禁止すれば、今後1%の患者も助からないのです。もし将来本当にそうなってしまった時に、今回判決文を書いた裁判官は、己が招いた無残な結末についてどのように責任をとるつもりなのか。その覚悟だけは、聞いておく必要があると思いました。

そんなわけで、引用開始です。

本日のNHKニュースより

イレッサ 製薬会社に賠償命令

2月25日 17時12分

重い副作用が相次いだ肺がんの治療薬、イレッサを服用して死亡した患者の遺族らが訴えた裁判で、大阪地方裁判所は「副作用の注意喚起がされないまま販売され、安全性に関する情報提供の面で欠陥があった」と指摘して、製薬会社におよそ6000万円の賠償を命じました。薬を承認した国の責任は認めませんでした。

この裁判は、肺がんの治療薬、イレッサの投与を受けたあと、重い肺炎で死亡した患者の遺族らが、東京と大阪で起こしたもので、大阪では、死亡した3人の患者の遺族と、一時重体になった患者1人が、薬を承認した国と輸入販売元の製薬会社、アストラゼネカに損害賠償を求めました。裁判所は先月、「国などには救済を図る責任がある」として和解を勧告し、患者側は、勧告を受け入れることを決めましたが、国と製薬会社は応じていませんでした。25日の判決で大阪地方裁判所の高橋文清裁判長は、製薬会社について、「臨床試験の結果などから、イレッサは副作用で死亡する可能性があったのに、平成14年7月に薬が承認された際の医師向けの説明書には、重い副作用の情報を警告欄に記載せず、ホームページなどでも副作用が少ないことを強調していた」と指摘しました。そのうえで、「副作用の注意喚起がされないまま販売されたイレッサは、安全性に関する情報提供の面で欠陥があった」として企業の責任を認め、原告のうち、平成14年10月に副作用情報が正しく提供されたときまでにイレッサを服用した3人の患者に、あわせておよそ6000万円を支払うよう命じました。一方、国については、「薬を承認する際に、副作用の情報提供に関する製薬会社への対応が必ずしも万全だったとはいえないが、イレッサの副作用で患者が死亡するような事態までは認識できなかった」として賠償責任を認めませんでした。

(引用ここまで)

この世の行いのほぼ全てに、リスクは存在します。端的にいえば、横断歩道ひとつ渡ることに対してすら、リスクは潜んでいます。薬を使う患者の側がそれを十分わきまえていたのかどうか、今回の訴訟においては疑問だと思っています。副作用が嫌なら、薬など使わなければいい。放置すれば確実に助からないからこそ薬の手を借りた患者が、次の瞬間副作用を理由に他者を訴えるというのは実にアンフェアな態度ではあります。裁判官がこうした態度を判決文によって是認したことは、患者側のモラルハザードを助長しかねないという意味で非常に危険です
あと認可した国の責任は棄却され、一方で輸入した業者だけ責任を取らせるというのも、実に支離滅裂だと思います。国が認可したからこそ輸入と販売が行われ、結果として「患者が薬の副作用で死んだ」わけですから。何かあったら真っ先に業者が詰め腹を切らされる、という悪い実例を残してしまった点も、今後問題になりうるかと思われます。業者にとって、この国で薬関連で商売するのは損だという結果が残れば、誰も日本国内で薬を開発したり販売したりはしないはずで。それは結局、患者側の不幸になって返ってくるのですが

これは地裁の判断に過ぎませんが、こうした判決文が出るという事実だけで業者が萎縮するのは目に見えています。高裁以降でこの判決が覆ることを期待していますが、もしそうなったとしても遅いかもしれません。それほど、今回の一件がもたらす破壊力は大きいと思っています。

あともうひとつ・・・医療訴訟にも相通じますが、薬物の副作用全般について、公正な補償を行う仕組みは絶対に必要です。今回のように訴訟に任せていては、訴えた者「だけ」が救済されることになってしまい不公平です。その必要性について、関係各位には深く考えていただきたいと思います。
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