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(年の瀬に、医療崩壊の話)精神科だけの問題ではなく
2010-12-28-Tue  CATEGORY: 医療崩壊
この論題のキモは、皆が医療のためにどれだけの対価を、平時から投入しているかです。十分でなければ、弱いところからダメになっていきます。そのなれの果てが、医療崩壊・・・その構図を、よく理解する必要があります。今後も、この種の主張は続くかと思います。

今回は、こちらから引用します。

12月26日毎日の記事から

< 統合失調症 > 救えた命では…13病院受け入れられず

毎日新聞 12月26日(日)2時37分配信

「心の病を抱え、今は苦しまずに逝ったことが幸いだったと思う」。10月下旬、東京都東久留米市で精神疾患を理由に救急搬送できずに死亡した男性(当時44歳)の自宅を訪ねた。「救えた命だったのでは」。私たちの問いかけに父親(77)と母親(71)は当初、報道されるのをためらった。あの日からまもなく2年。表札には長男の名前が残る。20年間、病に悩んだ息子の死をどう受け止めればいいのか。両親の心は揺れ続けてきた。【堀智行、江刺正嘉】

09年2月14日夜から15日未明。東久留米市の住宅街で救急車が赤色灯を回しながら立ち往生していた。いつになっても受け入れ先の病院が見つからない。搬送をあきらめ自宅に戻すことになった。「大丈夫よね」。母親には長男が眠っているように見えた。だが救急隊員は「命の保証はできません」と告げた。

母親が長男の異変に気づいたのは23歳の時だった。アルバイトから帰ってくると突然母親に食ってかかった。「なんで後をつけてくるんだ」。おとなしい性格で、口げんかした記憶もない。心配した両親が精神科病院を受診させると統合失調症と診断された。

「おれ、早く治さないと」。長男は担当医の勧めで事務の仕事にも就いた。だが薬を飲むと頭がもうろうとし、欠勤が増えた。薬を抜き仕事を続けたが、今度は幻覚や妄想に悩まされた。精神科病院へ入退院を繰り返し、10回以上転職した。30代半ば過ぎから「もう死にたい」と言い出した。

救急出動から3時間半がすぎた15日午前1時半。救急車から降ろすと長男が一瞬、目を開けた。「お兄ちゃーん」。母親が呼び掛けたが返事はない。こたつの脇に布団を敷いて寝かせ、見守った。小さい頃はリレーの選手。優しくて、自慢するくらい頭もいい子。「経理の資格を目指し一生懸命勉強して、結婚もしたかったろうに」。意識が戻らないまま息を引き取ったのは、その約12時間後だった。

1回目の命日を過ぎた頃から、両親は気持ちに折り合いをつけようとしてきた。「難しい病気だったから私たちが先に逝って息子が残ってもかわいそうだった。最後に親孝行したのかも」。取材の申し出は、その思いをかき乱すことだったのかもしれない。だが再び訪れた時、母親が言った。「寝る前にお兄ちゃんを思い出さない日はない。お父さんも必ず、仏壇のかねを2回たたいて布団に入る。口には出さないけど悔しいと思う」

◇精神科あるのに…「専門外」

12月中旬、両親は消防の担当者から救急搬送の経緯を聞き驚いた。受け入れ要請したのは有名な大学病院や総合病院ばかりだった。精神科があるのに「精神は専門外」と断った病院もあった。

「どうして心の病というだけで診てもらえなかったのか。息子の命はそんなに軽かったのでしょうか」

(引用ここまで)

この話には、もう少し続きがあります。

救急搬送:統合失調症患者、腸閉塞に 受け入れ先なく死亡 救急隊、13病院に要請

最後の一文ですが、人の命が軽かろうはずはありません。しかし非難する相手が違います。この問題の本質を理解する者は、軽かろうはずのない命のために、どれだけお金が「投入されてこなかったのか」、そしてその理由がどこにあるのかを十分知っています。この国は他の先進国と比べても、GDPに占める医療費の割合が小さい(だいたい8%)のです。それは、政治のせいです。特に近年は医療費の抑制が正義という妄説がまかり通っており、今回の診療報酬も全くと言っていいほど上がっていません。ここ10年程の診療報酬改定は、大体がマイナスでした。物価が上がり続けている中、診療報酬だけは容赦なく続く抑制の嵐・・・これでまともな医療など、できるはずもありません。

もうひとつ問題があることも、この分野に精通している人なら十分理解しています。今回の一文のように、何か事が起こればメディアは医療側を一方的に言い募り、口汚く痛罵します。そういえば、大淀事件は毎日のミススクープでした。その結果は地域でお産を取り扱う唯一の病院における産科の閉鎖であり、お産難民の大量発生でした。今に至るまで、毎日はこの深刻な結末について謝罪も自己批判も行っていません。正確な検証も行わず、問題の本質も理解しないまま、近視眼的な目線で一方的に医療側を攻撃したことの結果として、要らざる医療への不信と憎悪の種が一般社会にばらまかれました。医師と患者の関係が近年好ましくないものとなっていますが、その大きな原因は彼らの報道態度にあります。

救急は特に脆弱な分野です。特に診療報酬面で大きな報いがあるわけでもなく、リスクは常に大きく、何かあれば(しかもその確率は高い!)責任は医療側が背負わなければならない(!)。労のみ大きく、功少ないのだから、なり手がいないのは当然です。精神科というのは実にデリケートなもので、とくに昨今の医療側に厳しい世情を考えれば「この患者は危険だ」という判断になったのは無理ないことと考えます。それはすべて、必要なはずの救急にお金をかけなかった政治や行政の結末であり、何かあるたび医療側を目の敵にした言説を振りかざす患者側(マスコミに限らず)の行いの結末なのです。

今年も、この論題においては同じような文章ばかり書いています。それは仕方のないことで、こうした風潮が改まらない限り、医療崩壊を止めることなど不可能だからなのです。聖書にも書いてますが、わるい木からはわるい実しかなりません。では、どうしてわるい木が育つのか・・・土壌が悪いから。それが結論です。土壌が良くなるのに果たしてどれだけ時間が必要かはわかりませんが、それでも徒労には耐えようと思います。こんなつまらないものを、次の世代に押し付けるのは流儀じゃありませんし。

・・・最後に、一言。せめて、来年はいい年でありますように。現場で働く先生方のために、ささやかながらお祈りさせていただきます。
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