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(夕張の危機)医師の離反を招きかねない愚挙
2010-06-11-Fri  CATEGORY: 医療崩壊
表題ですが、医師がいなくなる理由を自ら作り出す地域は、まこと愚かとしか言いようがありません。きょうび医師はどこでも不足・・・他に引く手など数多なのだから、むしろそうなった方がいいとさえ思いました。

今回は、まずこの文章です。

道新6月2日記事より

救急受け入れ、また拒否 夕張市立診療所 心肺停止の男性(06/02 07:40)

【夕張】医療法人財団「夕張希望の杜(もり)」(村上智彦理事長)が運営する夕張市立診療所が5月、自殺を図り心肺停止だった男性の救急搬送受け入れを断っていたことが明らかになり、夕張市の藤倉肇市長は1日、医師の村上理事長から事情を聴いた。男性は市内の別の診療所に運ばれ、死亡が確認された。

関係者によると、5月19日朝、同市内で首つり自殺で心肺停止となった患者がいると通報があり、救急隊は最も近い市立診療所に受け入れ要請を行ったが、村上医師は4月から常勤医師が1人となったことや、ほかに外来診療があることを理由に断ったという

市立診療所は昨年9月にも、心肺停止の患者受け入れを断った経緯があり、市と協議した結果、心肺停止患者の原則受け入れを確認し、5月上旬の別のケースでは受け入れた。

藤倉市長は1日、夕張市役所で記者会見を開き、「昨年9月の事故を受け、二度とこのようなことがないようにと協議してきたので、今回のケースは誠に遺憾だ」と述べた。

村上医師は市に対し、「首つり自殺と聞いて緊急性が低い死亡確認のケースと判断した。常勤医が自分一人なので外来などに対応しなければならなかった」と話しているという。

(引用ここまで)

太字部分ですが、非常に正しいです。心肺停止の患者を、医師が一人しかいない医療機関で面倒をみることなど不可能です。他の医療機関に搬送した方が、ずっと合理的です。またこの患者の面倒をみるとなると、必ず外来診療に支障をきたします。絶対に救命できない患者のために時間を浪費するなど、ありえない選択・・・無理難題を現場に押しつける市長は、はたしてその行為がどれだけ深刻な結果を招くか、考えたことがあったのか?

実際、村上先生はしかるべき反論をしてきました。

JBpressより反論の重要部分を引用

破綻した夕張市立総合病院の建物を借りて、2007年4月に公設民営方式の指定管理者として夕張医療センターの運営を開始したのです。

救急医療や在宅医療等は、センターの本来の仕事には全く入っていないのです

「地域医療」というと、いかに救急患者の受け入れ体制を確保するかがよく問題になります。しかし、24時間365日の体制で救急を支えるためには、最低でも7人の医師が必要です。また、看護師や技師、医療機器の維持管理を考えますと、対応する範囲にもよりますが、最低でも3億円以上はかかります。そして、患者を受け入れる病院は「救急指定病院」である必要があります。

ところが、夕張市の救急の予算は年間120万円しかありません。その予算でさえ医師会の事務職員の人件費として消えていますので、実質「ゼロ」です(ただし、予算がないという割には、市は財政再生計画で市営住宅の建て替えに数十億の予算を計上しています。決して救急の予算がなかったわけではなく、優先順位が低かっただけの話です)。

また、夕張医療センターは「救急指定病院」ではありません。おまけに救急医療は不採算部門です

そのため、私たちはこの3年間、ボランティアで救急を受け入れてきました。

本当は医師も労働者ですから労働基準法がありますし、そもそも徹夜明けの医師が普通に働いていることは、徹夜明けのパイロットに操縦しろと言っているのに等しい行為です

特に今年の4月から、夕張医療センターの常勤医は私1人しかいません(公設民営方式の診療所は通常の民間の開業医と同じですから、医師1~2名の運営が普通だと思います)。

1人体制になってしまったことから、3月の段階で市長や副市長や担当者に、「救急を今後従来通り受け入れることは難しい」ことを説明しました。同時に、「夕張医療センターを救急指定病院にしたい場合はキチンと予算を取り、労働基準法に反しない条件を契約書にも明記すべきです」という提案もしてあります。

4月には市内で救急に関する会議があり、その席でも救急隊や医師会、行政担当者に対して、その旨を伝えてありました。

しかし、私たちが言うことはほとんど受け入れられることなく、指定管理者の条件にはない救急医療を強要され、ボランティアでやってきた部分は評価されず、それをやらないなら出ていけ、という話になっています

昨年の9月に、やはり夕張で中学生の首つり自殺があり、心肺停止の状態で夕張医療センターに救急搬送の受け入れ要請がありました。

この時には朝日新聞(北海道の支局)の記者の「とにかく謝るべきだ」という強い要望に従って、受け入れなかったことを謝罪しましたが、本当は若い方ならばなおさらヘリを呼んでもいいから、道内に9カ所ある救命救急センターに搬送すべきというのが私の意見でした

常勤医が1人だけになった4月から今までの2カ月間、私は週末も含めて夕張から出ることもなく、ほぼ毎日当直をしています。労働基準法に違反しながらも、可能であれば救急車も受け入れていました。

しかし、そのようなことは今回の報道ではまったく問題にされず、逆に「何度か受け入れていたんだから、今回も受け入れられる」という論法になっています

特に、今回の北海道新聞の報道で一番問題なのは、私本人には一切の取材はなく、一方的に行政の話を基に報道していることです。他の新聞社も同様です。十分な取材をすることなく、検証なしで報道しています

その結果、夕張市の医療がどうなっても責任は取らない」というのでしたら、あまりにも無責任な話です。我々はあくまでも民間企業ですから、風評被害による損害があった場合、報道したマスコミに対して法的手段を取ることも検討しなければなりません。

要するに今回の報道は、北海道新聞の記者が「抜く」ことだけを考えて報道し、また、夕張市が自分たちの怠慢の責任を医療に押し付けただけの話です

このような「医療を非難しておけばよい」といったマスコミの安易な姿勢と、行政の怠慢が全国に広がる医療崩壊を助長しているのです。

私は数年前から「市内の医療機関や近隣の後方病院などと連携を取れるように、市の方で調整してほしい」といったことを市に提案してきました

しかし、市の対応は全く進んでいません。「現状維持」「先送り」といった破綻前の習慣を続けているのです。市役所の上層部は、相変わらず破綻前と同じです

(引用ここまで)

こちらの言い分のほうが、よほど正しいように感じます。これだけ見れば一目瞭然ですが、夕張市の関係者は市長だけでなく、皆この先生を大切な存在として認識していません。気に入らなければ出ていけばいい、代わりなどいくらでも見つかる・・・そのようにタカをくくっている可能性すらあります。もちろんですが、そんなことは絶対にありません。すでにこのニュースは全国の医師が知っていますから、この先生が立ち去れば今後絶対に誰も来てくれません。医療空白地への道を、わざわざ突き進む・・・まこと「愚挙」としか言いようがありません。
破綻してしまった自治体だから、お金がないのは仕方ありません。それでも志さえ高ければ、今回の村上先生のように身を粉にして働いてくれる方は来てくれると思います。実際にそうでした・・・にもかかわらず、わざわざ不要な難題を現場の先生に押しつけ、しかもマスコミまで抱き込んで晒し者にしたのだから、夕張市の愚かしさと卑しさはどうしようもありません。人の心を現地の人間が持っていないのであれば、そういう地域から真っ先に医師は出ていきます。

何度も書いたことですが、医師に残ってもらうには相応の対価が必要です。ましてや、新たに来てもらいたければ。それに反する行為に及んだ地域は、いずれ相応の報いを受けることになります・・・何年後かは判りませんが。

もう一つは、マスコミの態度・・・やはりというべきか、現状に対する無理解と医療者へのあからさまな軽蔑の念を感じずにはいられません。村上先生の反論文を見ていただければ、それで十分かと。一方的な言説と、行政サイドへの阿諛追従。はたして、誰のために書いたかわからない志とは縁遠い文章。現場の医師を大切にせず、はたしてどうやって地域医療を守るつもりでいるのか。そうした観点で、彼らが文章を書いているとは、とても思えない。

地方自治体の権力と、ペンの暴力・・・地域医療に仇なす敵の多さを感じます。こんな地域で踏みとどまる先生はまこと聖人としか言いようがありませんが、それだけに実に哀れだと思う次第です。
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