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(新潟の水原郷病院)必要なものが欠けている
2010-04-29-Thu  CATEGORY: 医療崩壊
表題ですが、そのように思います。医師に頑張ってもらうために必要なものが欠けていれば、どんなに努力してみせても意味がありません。

さて、今回はこちらから引用します。新潟県阿賀野市にある、水原郷病院のおはなしです。

引用開始

【ニュースの現場】厳しさ覚悟の再出発

2010年04月25日

■阿賀野市立水原郷病院 公設民営化

阿賀野市立水原郷病院が10月から公設民営化され、県厚生農業協同組合連合会(厚生連)が運営してゆくことになった。4年前の医師の大量退職以降、迷走が続いていた経営立て直し策をめぐる論議に、ひとまず決着がついた形だ。とはいえ、市の財政負担がどうなるのか、救急病院として復活できるのか――。市民の不安は消えない。水原郷病院の今後の歩みは、経営難に直面する他の公立病院にも影響を及ぼしそうだ。(戸松康雄)

「ほっとしている。今日がスタートだ」

23日夜、天野市栄市長は議会閉会後、ゆったりとした表情で語った。

■「厚生連を信頼」

水原郷病院の運営にあたる指定管理者を厚生連とする議案は、採決結果こそ14対6の大差だったが、質疑は5時間半に及んだ。反対する議員が繰り返し指摘したのが、市の財政負担をめぐる問題だ。

民営化後、市は救急医療など「政策的医療」にかかる費用として国から配分される金(09年度で1億9千万円)を厚生連に交付する。厚生連は1年目から黒字化が可能と試算しているが、赤字が出た場合は、原則として市が補填(ほてん)することになっている。

さらに、老朽化した病院を新築する際の費用も市の負担。市は土地購入費を節約するため、現在地での建て替えを目指しているが、厚生連は古くからの市街地の中では道路も狭いとして、移転が好ましいとの立場だ。

「将来的に財政を圧迫する懸念がある」

「積算が甘いのでは」

厳しい追及に天野市長は言った。「まずは厚生連を信頼して、任せてみるのが大事ではないか。信じる者は救われる、という言葉もある」

市は病院の赤字を補うため、05年度から5年間で16億5千万円を一般会計から支出した。昨年度だけでも、市税収入の7分の1にあたる6億円に上った。

賛成派の議員も「民営化しても、公営のままでも、今後の財政負担は大きい。全市民が一体となって病院を支えることが大事だ」「どの道をたどっても厳しい」など、難しい選択だったことを認める。

傍聴席には採決を見守る約30人の市民の姿があった。「可決」の瞬間、議場からも傍聴席からも、拍手はわかなかった。

■「新大が見放す」

「民営化がかなわないなら、新たな身の振り方を考えなければならない」

「議論が続くなら、厳しい事態が生じる。(医師を派遣する)新潟大学は水原郷病院を見放す」

今月1日、市議会。招かれた水原郷病院の8人の医師は、公設民営化の是非論に早く決着をつけるよう求めた。市議のひとりは振り返る。「あれで、かなりの議員が『病院がなくなってしまっては意味がない』と思うようになった」

水原郷病院の経営危機の発端は、05~06年の医師の大量退職だった。当時26人いた医師が13人に半減。再び医師がやめる事態になれば「閉院」が現実味を帯びる。「だれが責任を負うのか……」。そんな心理が23日の議決につながったと見る人は多い。

加藤博さん(64)は同病院で、医学写真の撮影担当をしていた。「どんな病院を作るのか、といった議論が少なかった」と加藤さん。医師が大量退職する前の病院は「コンビニ病院」と呼ばれていたという。加藤さんによると、「昼は待たされる」といった理由で、夜間に訪れる患者も多く、中には当直が希望する診療科の医師でなければ、呼び出すよう求める人もいた。勤務の厳しさが大量退職につながったという

病院は診療科目を制限し、県から指定されていた救急病院の告示も返上せざるを得なかった。

阿賀野市消防本部の08年の統計では、救急車の7割は新潟市や新発田市などへ向かう。緊急時の手術ができる病院がないからで、119番通報から、病院に到着するまでの平均所要時間は39・4分。県平均の35・8分、全国平均の33・4分を上回る。

救急指定の復活を求める声は根強いが、厚生連は「医師が増え、態勢が整わなければ難しい」と慎重だ。

加藤さんは3月下旬、病院職員OBで「阿賀野市の医療を考える会」を立ち上げ、25日にシンポジウムを開く。公設民営化に賛成・反対ではなく、市民にとって、どんな病院が必要なのかを、一緒にしっかり考えるのが目的。「救急指定になっても、前と同じでは長続きしない」と思うからだ。

■08年度、黒字は1団体のみ

〈県内市町村 公立病院〉

各地で深刻化する公立病院の経営問題に対応するため、総務省は3年前、「公立病院改革ガイドライン」を定めた。全国の自治体に、数値目標を掲げて経営の効率化や、形態の見直しを促している。

県のまとめでは、県内の市町村で公立病院を運営する10団体(病院数は11)のうち、08年度決算で黒字だったのは、五泉市の南部郷厚生病院を運営する「さくら福祉保健事務組合」(五泉市など4市町で構成)だけ。経常損益の赤字総額は、前年度より13%増の21億4千万円に上った。

県立病院についても県は昨年、「県立県営に限定することなく、公設民営なども選択肢として、より効率的な経営形態を検討する必要がある」との考えを示している。

(引用ここまで)

引用された文章に、すでに答えが紛れ込んでいます。住民がコンビニ受診で地域の医師をすり減らしたことの結果、病院が成り立たなくなった・・・残念ですが、よくある光景です。それでかたづけてもかまいませんが、実はもう少し掘り下げたいネタがあります。

病院の経営改革審議会議事録より一部抜粋)

外来患者数も減っており、人間ドックでも1日10人くらいの利用者で、しかも医師の出番は最後の診察のときだけのようだ。これまでも郷病院の医師は疲弊しているという話は聞かれたが、本当に疲弊するほどの仕事量なのか

人間ドックについて、どの場面で医師が必要かということが大変問題になった。必要ないという意見すらあった。最後の場面で医師が診察をするというのが、今の日本の人間ドックの大体の姿である。郷病院では、時間外や緊急の患者数が年間10,000件弱、救急車による搬入が年間約800件。それを受け入れる医師は、ほぼ毎晩起こされている状況。また、自分の受け持ち患者の様態によっては、時間に関係なく病棟へ出向いている。医師の勤務状況については、労働基準局から指導を受けるほど厳しいということを理解してほしい。

新潟県医師会報に掲載された県立病院に勤務する医師の記事にもあるとおり、勤務医の過重労働、長時間労働は事実であり、疲弊しているのが実態だと思う。人間ドックに関して、受検者と面接をする時間は少ないかもしれないが、レントゲン写真、眼底写真、心電図等の検査結果の診断等、後方で支えているのは全て医師である。特に郷病院は他の県内の病院と比較しても、医師一人当たりの負担が大きく、本来医師としての能力を発揮すべき病棟にエネルギーを注げないという状況が続いていると思う。医師確保には特に配慮していただきたい。

勤務医の実態についてもう少し具体的な話をすると、長岡の準公的病院では、外来が終わるのが午後の1時から2時くらい。昼食の時間もなく午後は検査がある。30人前後の入院患者さんを受け持ち、病棟回診が夜の7時か8時。当直が月に10回くらいであり、3日に1回救急車を受ける日が当たり、全て受け入れる。ほとんど眠れない状態で翌朝を迎えるが、翌日医師は休めない。翌日も結局、夜中まで勤務をするような状態。それがいわゆる、病院の普段の仕事である。その上に、例えば人間ドック、予防注射、あるいは自治体から要請された住民健診などの執務もある。受診者の方がご覧になる医師の勤務状況と、実際の内部の様子は随分違う。そんな状況でなぜそこに勤めたいと思うかというと、様々な症例を経験できることや、優秀な先輩医師とともに勤務することで勉強ができるという状況があるからである。報酬以外の要素でも医師は集まってくると思う。

・・・

医師に働く意欲がないように聞こえるが

・・・

諮問の根本は、赤字を無くすこと。問題はどうすればそれが可能か、ということ。大枠を決めてからでなければ、各論を議論しても意味がないのでは。平成16年度の約3億5,000万円の赤字を、議会は何をもってそれを認めたのか。税金投入ということか。

単年度の赤字をどのように解消するか。5,000万円でも1億円でも減らしたいと思う。市長は市の予算編成において、大胆に職員給与、議員報酬、管理職手当等をカットしたと。労使関係など様々な要因があり給与を下げられないというが、やはり病院も大胆にやらなければ改革にならない。

郷病院で人間ドックを始めた頃から、立派な施設なのに1日に10人くらいしか受け入れられないというのを不思議に思っていた。その理由は、医師の手が足りないということであった。今回医師が増えて人間ドック利用者を1、2割増やすことができるようになったのだと思うが、そのように進めていただきたい。

・・・

現状を聞くと、医師が疲弊するほど一生懸命やっていても病院が赤字だ、とういうことか。それでは医師を2、3名増やしたら、どういうプロセスで経営状態が良くなるのか。医師がいれば、という話が前から聞こえていたわけだが、医師が増えるとどういうことになるのか。

これは手が増えれば増えただけ手厚い医療ができる、ということにつながるわけである。

何人医師が確保できれば、赤字から脱却できるのか。

今、郷病院に求められているのは内科の医師2名、耳鼻咽喉科1名、泌尿器科1名で、耳鼻咽喉科と泌尿器科については週2回大学からの医師が派遣されている。週2回の診療でありながら、看護師等バックアップ体制についてはそれだけの人数を整えているわけなので、常勤医師が配置されれば収入に結びついてくるわけである。

患者が増えるということか。では5日間営業するとして、2日しか医師がいないのなら後の3日は看護師等が暇だということか。 企業ではそういうことは絶対に許されない。極力無駄なことは許されないことだと思うが、もしそうならあんなに赤字になるのは当たり前である。

遊んでいるわけではなく、仕事は山ほどある。外来の看護師長が状況を把握しており、フルに動かしている。

収入に結びつく仕事なのか。

看護師というのは何人いても良い。何人いても足りない。例えば、泌尿器科の看護師に外来が無いことがわかれば、朝からその看護師についての仕事を外来看護師長が用意する。したがって、遊んでいることはあり得ない。

・・・

とにかく黒字になるプランを作った中での議論をして欲しい。先程黒字プランで申し上げたのは、一般経費約8千万円、人件費約3億円の削減で黒字になる数字である。数字なんて簡単に誰でも書けるかもしれないが、数字ほど正しいものはない。絶対数をまず捕らえて、何年かの間で8千万円なら8千万円を減らすという考え方をして欲しい。その中の3%だと。

(抜粋終了)

2つ問題があります。まず医師その他スタッフの勤労を、安く見積もっていること。適当に募集でもかけていれば、誰か来てくれるような時代では、もうありません。大学が厳しい態度をとるようになったのは、医師を使い捨てにする病院の態度に腹を立てたから、という側面もあるかと思います。もっとスタッフを大切にしないと、誰にも来てもらえないし、それ以前に誰にも残ってもらえません。果たして地域の皆が、それをどこまで理解しているか。
そしてもう一つ・・・いまどき病院を黒字にして儲けることを考えている、というのがナンセンスです。この診療報酬で、黒字を実現しようとすればよほどスタッフに無理をさせなければいけないかと思われます。地方の片田舎で、それが実現可能と主張するのは、なんとも浮世離れしたものです。地方に病院があるのは、儲けさせるためではありません。地域住民の福祉のためです・・・そのために、どれだけの対価を積むかが今問題となっている中、およそ実現可能とも思えない要求を行う委員殿の見識は、確かに問題があります。

結局、住民がどう考えているか。それが一番重要です。上の記事から見えてしまいましたが、地域住民は医師を大切にしていないようです。そういう地域のために、果たして誰が義理立てしてくれるのか。いまどき病院は儲かるなんて、考えているとしたらそれは大問題です。むしろ今は、どれだけのものを病院維持のために提供していくか、それが地域全体で問われています。丹波の住民は厳しい医療事情を理解し、適正な受診態度をとることによって医師の信頼を勝ち取りました。それだけのことが、この地域で果たして可能なのか。

そこまで考えて、初めて先のことが見えてきます。現状では、重要なピースが欠けているように思います・・・それでは、いつまでたってもジグソーパズルは完成しません。
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コメント

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長文ですが…
コメントみるく | URL | 2010-04-30-Fri 03:48 [EDIT]
民営化でもトントンにすら持っていけないでしょうね…。

この手の議論は、結局金をどこからか生み出さないかぎり永遠に尽きないと思います。
病院全体、みんな全力で働くのに赤字になるなら、病院単体ではどうしようもないですよ…
金にならんことはしないで救急なんぞ成り立ちませんし、なんでも受け入れるならお高くつきまっせ、となる。
どっかに皺寄せがくる以上、結論出ませんよね。

昨日、臨床心理士の後輩にまで「医師の給料は高すぎる」と言われて凹んでおります。(確かに臨床心理士は安すぎますが。大学院まで必修なのに…)
医師の給料を少し分配した程度では、みんなが幸せにはなれんと思うのですが…みんなで平等に辛い生活でもすれば納得してくれるんでしょうかね。
料金据え置き、医師の給料をサラリーマン並に下げる、コメディカルの権限および責任を増やし点数化&給料を医師と同レベルに、みんなで負担にあえいで頂きましょう。
問題が解決するなら、もうこれでいいような気さえしてきます。


今回の例で、医師13人の給与を500万にしても、2億も浮かないと思います。しかもコメディカルの給与は据え置き。文句も言えず、労働時間も同じ。
赤字だからしょうがないよねー、で済むのでしょうか?

ふと思ったのですが、住民の理解で医療崩壊を防げた病院って、赤字増えちゃいますよね…診る人数減りますから。どうなっちゃうんだろう。金の問題はまた別、なのでしょうね。
みるく様にお返事
コメント鴛泊愁 | URL | 2010-04-30-Fri 18:48 [EDIT]
結局のところ、「どこからかお金を持ってくる」以外に方法はありません。一番いいのは診療報酬の引き上げ、ですが・・・政権交代でも実現しないまま終わりました。皆考えるところはおんなじで、医師を安く働かせることだけのようです。先生方はそれを十分にご承知であり、だからこそ次々と病院から離れていくのだと考えます。

事務方の給与ですが、これはどこの自治体も同じものを抱えていると聞きます。むしろ要らないスタッフを病院に押し付ける「だけ」のために、病院が必要とされている可能性もあります。となると、そんな病院で働く先生方はまこと悲惨というほかありません。

お金が出てこないのは、皆が出さないから・・・意識改革は、確かに必要と考えます。
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