QMA、その他ゲーム以外のことも、つれづれなるままに書いていこうと思います。どんな文章になることでしょうか。
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(診療報酬改定)問題①・・・「地域医療貢献加算」の実相
2010-04-02-Fri  CATEGORY: 医療崩壊
今回の診療報酬改定ですが、患者側から見ても大きな改定がいくつかあります。ただ、自分はその中身については否定的な評価をしていますが・・・診療報酬は、全体でほんのわずかな増加(しかも、抜け道があって)にとどまっています。こんなもので医療崩壊に対する答えになると考えるほうが、どうかしています。そんなわけで、特に問題と思う項目を引用を交え書いていきます。

今回のエントリーですが、2回に分けてコメントする予定です。

キャリアブレインの記事より引用開始

地域貢献加算、留守電による対応も可 ― 厚労省が解釈

3月29日23時3分配信 医療介護CBニュース

4月1日に実施する診療報酬改定に関し、厚生労働省は3月29日付で、診療報酬点数の算定方法をQ&A形式でまとめた「疑義解釈資料その1」を地方厚生局などに事務連絡した。診療所の再診料への加算として新設する「地域医療貢献加算」(3点)を算定する診療所が、患者からの電話問い合わせに対応する時間帯については、準夜帯がコアになると思われるとする一方、原則として24時間連絡が取れる体制の整備を求めている。事務連絡や厚労省の担当者によると、電話による問い合わせには原則として自院で対応するが、実際の対応は留守番電話などによるものも認められる。

深夜や休日など不在時の問い合わせに留守番電話などで応答した場合、日中や準夜帯の問い合わせには速やかにコールバックする。一方、深夜や休日には、留守番電話などで地域の救急医療機関の連絡先を案内するなどの配慮を求めている。

また、問い合わせへの対応では、患者の同意を得た上でできるだけ速やかに応答することを条件に、携帯メールなどの併用も認めるという。

患者への対応は、「やむを得ない事情」があれば2、3の医療機関の連携によるものも可能だが、その場合は、連携医療機関の連絡先を患者や関係者に事前に伝えておくよう求めている。「やむを得ない事情」の具体的な中身について厚労省の担当者は、「学会への参加など、いろいろな事情が想定できる」と話している。

地域医療貢献加算と同じく診療所の再診料に対する加算として新設する「明細書発行体制等加算」(1点)については、明細書が不要だと申し出た患者に対しても算定が認められるという。

■ 明細書の発行義務化、診療所は7月から

来年度の診療報酬改定では、「7対1」と「10対1」の看護配置を敷いている病棟が、看護職員の月平均夜勤時間のいわゆる「72時間ルール」だけを満たせない場合に算定する「7対1」と「10対1」の「特別入院基本料」を新設する。

事務連絡では、月平均夜勤時間数が72時間の1割を超過したら翌月に届け出を行い、翌々月から特別入院基本料を算定すると説明している。具体的には、3月に1割を超えた場合には、4月に届け出て5月から特別入院基本料を算定する。

平均夜勤時間は、病棟ごとではなく病院全体で把握する。例えば10対1入院基本料を2つの病棟で算定していれば、これらの病棟を合計した時間数を計算する。

このほか、4月から全患者に原則無料での発行が義務付けられる医療費の明細書に関しては、明細書を希望しない患者の意向確認について、「必ずしも書類で行う必要はない」との解釈を示した。

診療所による明細書の発行は、レセプトの電子請求に合わせて7月1日に義務化される。明細書発行機能がないレセプトコンピューターを使用しているなど、発行義務化の対象外になる「正当な理由」があれば、この日までに地方厚生局などに届け出る。

(引用終了)

今回は、この文章の上半分で書かれた「地域医療貢献加算」です。この加算は、患者側からの電話による問い合わせに常時対応できる医療機関については、特別に再診料に3点(単価30円)を上乗せしても良いという制度です。体よく言えば、30円で24時間、365日働かせようという官吏の悪知恵です。この制度については、医療側からも強い懸念が表明されています。

なおこの文章ですが、転載引用ともに歓迎とのことです。謹んで感謝します。

(引用開始)

2010年3月19日 会員各位 青森県保険医協会 会長 大竹 進

< 地域医療貢献加算の算定は慎重に! >

前略 今次診療報酬改定において、地域医療貢献加算(3点)が新設されました。3点は電話の問い合わせがあった時だけ算定するのではなく、通院中の全患者の再診料に加算されます。したがって、この算定を届け出た医療機関は、過去に受診した人も含め全患者に24時間365日体制で対応することが求められています。

算定要件としては、緊急時の対応体制や連絡先などを院内に掲示し、診察券に電話番号を記入するなど文書等で患者に周知する必要があります。

転送/留守番電話・職員による対応も可能となっていますが、職員は速やかに医師に伝え「医師自らが速やかに患者さんに連絡をとること」になっています。有床診療所でも最終的に連絡するのは医師なので、医師は常時携帯電話に縛られることになります

即座に対応出来ない場合、特に患者さんが死亡した場合などではトラブルに発展する可能性もあります。規則では「緊急の対応が必要と判断された場合には、外来診療、 往診、他の医療機関との連携又は緊急搬送等の医学的に必要と思われる対応を行うこと」になっています。

もし、対応ができないで救急病院に受診した場合、当直勤務医は地域貢献加算を算定している開業医について不愉快に感じ、勤務医と開業医の新たな対立を生むことになるかもしれません。

4月からは診療内容のわかる明細書の発行が義務づけられました。全ての明細書に「地域貢献加算3点」と記入されますので、医師の義務と責任がことさら強調されることになります。ボランティアで電話対応をしている現在とは全く違う状況が生まれます。もしトラブルになった時には、即座に謝罪のマスコミ発表が必要になるでしょう

患者通報による個別指導の対象になり、自主返還、監査に発展する可能性すらあります

そもそも「勤務医支援のために,何もしていない開業医にも汗を流させる」という発想自体が誤りです。特に、各地の小児科開業医も勤務医と一緒に、地域の小児救急を担っている事実を全く評価していないことに失望せざるを得ません

元来、私たち医師は社会的資本としての医療を全うするために、使命感や責任感から時間外対応はもちろん夜間、休日診療、健診・保健事業などに参加しています。それに参加している診療所が算定できることが要件であれば何ら問題はありません。

しかし、本制度は、どこにいても「24時間応召義務を課す」全く新しいルールとなっています。今後も、条件や内容は通知一つで官僚の思うように変えることができます

24時間、365日対応することになれば、心身の休まる時はなくなります。ただでさえ過重労働になっている本県の開業医の状況を勘案すれば、最悪の場合過労死という事態もあり得ます。医療崩壊に更に拍車をかけ地域医療を大きく後退させることは自明です

今大切なことは30円を得ることではなく、「落とし穴」のようなルールを否定し、医療崩壊を防ぐ適切な医療政策を政府に求めて行くことではないでしょうか

診療所再診料の引き下げに抗議します。厚労省は開業医の貢献を正しく評価するべきです

草々

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考えられるトラブル(個別指導に直結する)

1.対応できない場合

・ 旅行中、学会出席中、飛行機内........連携医師、医療機関が必要
・ 誤って携帯の電源が切れていた
・ マナーモードで気づかなかった
・ 枕元に携帯電話をおいて寝なかった
・ 夜間睡眠中で気づかなかった

2.医師の飲酒中の対応 : 飲酒中は連携医師、医療機関が必要と考えられます。

3.緊急時の対応にも問題があります → 「緊急の対応が必要と判断された場合には、外来診療、往診、他の医療機関との連携又は緊急搬送等の医学的に必要と思われる対応を行うこと」となっています。

・ 医師が「救急車を読んでください。」と指示した場合
  向かう先を医師が準備するのか?救急隊に任せるのか?
  連携先か?救急病院が受け入れ不可能の時に「診察の義務」があるか?(応召義務)
・ 精神科救急......ほぼ対応不可能か?
  「これから自殺する」「深夜になっても眠れない」という電話
  対応は可能か?
・ 患者さんが旅行先等から電話してきた場合はどうするのか?

4.カルテを見ないで診察の問題点

・ 最悪の結果になった時に法的にどのように判断されるのか?
・ 医師賠償責任保険は使えるのか?

5.飲酒患者への電話対応は断れるのか?

6.他人が本人に「なりすまして」個人情報を取得しようとした時は見抜けるか?

(引用ここまで)

ここまで見てくださった方は、この加算が医療機関にとって何らメリットを持たないものであることが、十分にわかっていただけると思います。ではなぜこのような制度が打ち出されたか・・・救急医療に関する問題は深刻です。受け入れ不能問題は産科に限らず、救急全体にとっての国家的課題といってもいいかもしれません。しかし現実には、診療報酬はお情け程度にしか上がりませんでした。救急医療の充実にはお金が必要です・・・この診療報酬改定から、救急医療の充実などという答えは、はじめから出てくるはずがない。
しかしそれでは、一般大衆から「政府は何をやっているのか!」と突き上げられるわけです。だからこそこの制度が必要となりました。つまり「政府は、国民からの社会的要請に基づき、24時間365日働いてくれる殊勝な医者にはこれだけ手厚く報いているのだ」と言うための物証として、この制度は作られたわけです。少し考えれば、自分の体を間違いなく壊す「24時間365日待機」が前提の加算など、誰も手をつけないとわかりそうなものですが。残念なことに、一般大衆の医療に対する認識はまだまだ不十分・・・だから成り立つ言い訳でもあります。
現実には、上で引用した文章の通りの制度であるが故、誰もこんな「不味い餌」には飛びつかないでしょう。だから今後、ますます救急が逼迫した際に、こういう非難が(無根拠ですが、それでも)巻き起こることは十分に予想されます。曰く、「こんな制度があるのに、地域住民のために働こうとしない医者はどういうつもりなのか!」。そうならない保障はどこにもありませんし、無知なくせに声の大きいマスコミが同様に騒ぎ立てない保障はもっとありません。

この制度、医療者の間ではすこぶる評判が悪いです。こんな制度に乗っかるなんて愚の骨頂、くらいで済めばまだマシです。これは医療者を深く失望させるには十分な制度です・・・死ぬまで働かせて、その報酬がたったの単価30円というのが、現場の医療者にどれだけ悪い影響を及ぼすか。人の報酬は、その働きの価値を数字で見積もったものでもあります。その程度の評価しか、地域医療に貢献してきた医師はもらえなかったという事実。深い失望が怒りに変わるのに、さほど時間はかかりますまい・・・これから先は、どこまでいっても暗い闇のようです。

次は、もうひとつの論題について書きます。
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