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(メディアによる中傷)医療者の気持ちが、なぜ傾くか
2010-03-08-Mon  CATEGORY: 医療崩壊
表題ですが、医療者の気持ちがどれだけ絶望的に傾いてしまったか・・・傾けている者は誰か。はからずもその答えが明らかになる、そんな文章です。

読売3月6日配信内容から一部抜粋)

ネットで医師暴走、医療被害者に暴言・中傷

医療事故の被害者や支援者への個人攻撃、品位のない中傷、カルテの無断転載など、インターネット上で発信する医師たちの“暴走”が目立ち、遺族が精神的な二次被害を受ける例も相次いでいる。

状況を憂慮した日本医師会(日医)の生命倫理懇談会(座長、高久史麿・日本医学会会長)は2月、こうしたネット上の加害行為を「専門職として不適切だ」と、強く戒める報告書をまとめた。

ネット上の攻撃的発言は数年前から激しくなった

2006年に奈良県の妊婦が19病院に転院を断られた末、搬送先で死亡した問題では、カルテの内容が医師専用掲示板に勝手に書き込まれ、医師らの公開ブログにも転載された。警察が捜査を始めると、書いた医師が遺族に謝罪した。同じ掲示板に「脳出血を生じた母体も助かって当然、と思っている夫に妻を妊娠させる資格はない」と投稿した横浜市の医師は、侮辱罪で略式命令を受けた

同じ年に産婦人科医が逮捕された福島県立大野病院の出産事故(無罪確定)では、遺族の自宅を調べるよう呼びかける書き込みや、「2人目はだめだと言われていたのに産んだ」と亡くなった妊婦を非難する言葉が掲示板やブログに出た

この事故について冷静な検証を求める発言をした金沢大医学部の講師は、2ちゃんねる掲示板で「日本の全(すべ)ての医師の敵。日本中の医師からリンチを浴びながら生きて行くだろう。命を大事にしろよ」と脅迫され、医師専用掲示板では「こういう万年講師が掃きだめにいる」と書かれた。

割りばしがのどに刺さって男児が死亡した事故では、診察した東京・杏林大病院の医師の無罪が08年に確定した後、「医療崩壊を招いた死神ファミリー」「被害者面して医師を恐喝、ついでに責任転嫁しようと騒いだ」などと両親を非難する書き込みが相次いだ

ほかにも、遺族らを「モンスター」「自称被害者のクレーマー」などと呼んだり、「責任をなすりつけた上で病院から金をせしめたいのかな」などと、おとしめる投稿は今も多い

誰でも書けるネット上の百科事典「ウィキペディア」では、市民団体の活動が、医療崩壊の原因の一つとして記述されている

奈良の遺族は「『産科医療を崩壊させた』という中傷も相次ぎ、深く傷ついた」、割りばし事故の母親は「発言することが恐ろしくなった」という

(ここまで引用)

腐しどころはいろいろありますが、逐次拾っていきます(3月2日当方のエントリーも参照していただければ)。

まず、中傷は問題外ですが、批判自体は正しいものです。患者側の人間だからといって、何を言っても許されるわけではありません。患者も医療行為のリスクについては、正しく理解してそれを受け入れる必要があります。医療者は万能ではありませんし、保険医療の範囲内の治療しか普通は受けられません(それを超えた過度の医療行為は、経済的にペイしないから出来ないという事も、理解すべきです)。結果は一定割合で悪いこともありえますし、それを何でも医療者のせいにしたのでは、彼らは真面目に仕事をしなくなるでしょう。ちょうど、今がそうであるように。
それに、中傷しているのは別に医療者だけではありません。患者側の人間で、好き放題喚き散らしているブログというのも、ずいぶん存在しているのです(ここでは列挙しませんが)。それ以前に、この文章自体、メディアによる医療者への中傷なのですが。何かあるたび医療「加害者」と勝手に決め付けられ攻撃されている(前日の大淀事件も、その一例です)医療者側の人間が、それを事あるごとに煽っているメディア(及びそれに同調する一般人)に反感を持たないほうが、おかしいとしたものです。

医療者ブログは数年前から時間があれば覗き見するようになりましたが、明確にわかることがあります・・・年が経つごとに、エントリーを書き上げる先生方や、そのコメントをする先生方の気持ちが後ろ向きになっています。以前は患者側の自覚を何とか促そうという論調をよく見かけましたが、今は我々患者側の人間を信用して文章を書いていません。どうせ理解されることはない・・・といった諦念を強く感じることが多いです。
ではどうして先生方は文章を書き続けるのか・・・医療崩壊は止まることなく進むでしょう。皆が支払うべき対価の問題に目を向けない限り、待っているのは破綻だけです。そうなったときに、物証を残しておくことは重要です・・・「皆が我々医療者の警告に耳を貸さず、エゴばかり振りかざしてきたことの結末が医療崩壊である!」と強く断言できるだけの物証を残すため、文章が書き綴られています。もしそうだとして、誰が悪いのか。気持ちを傾けてきた我々は、果たして免罪されうる存在なのか。

この国の非医療者側の人間に、少しでも医療を支えようという気持ちがあれば少しは違ってきたと思います。しかし現実には、彼ら(イコール「我ら」)は要求することばかりが一人前で、そのためにどれだけの対価が必要であったのかすら、考えようとしない。現実には医師たちは過労死とも戦わなければならない状態にあるのに、それでももっと(それこそ本当に「死ぬ」まで!)働かせようとするのはなぜなのか。要求を声高に叫ぶ者(残念ながら、そういう団体のほうがずっと多いように見受けられます)ばかりが目につき、その要求並みの行いを積み重ねようという心正しき者(例えば、「県立柏原病院の小児科を守る会」など)が一向に出てこないのはどうしてか。

医療者が日頃感じている深いレベルでの絶望の程を少しでも理解できていれば、こういう文章を書けるわけがないのです。この文章ではからずも明らかになったのは、彼ら新聞屋がどれほどこの国の医療者を「敵視しているか」です。彼らは医療の改善など望んでいない・・・せいぜいこのように医療者を悪し様に痛罵し、多くの読者に根拠のない憎悪の種をばら撒き、愚かしくも同調する人間を増やし、正義の味方の「ふりをして」発行部数を伸ばすことくらいしか考えていません。
彼らメディアは「性根の悪い医師たちが、善良な患者の口を塞ぐため悪質な中傷をしている」という虚像を押し付けようとしていますが、事実に照らして職業的専門家の見地から正当な反論を試みることの何がいけないというのか(現在のところ、その場はせいぜいネットの上にしかありません)。こうした真っ当な反論をすべて「自分たちのシナリオ通りでない」ことを理由に紙面から締め出し、自分たちの繰言を読者に垂れ流し、その判断を誤らせ続けている彼らはまさに憎むべき仇敵です。では、その「仇敵」の放埓を許し続けている我々は医療者たちにとっての敵でないと、どこまで断言できるのか。

この国のメディアによる根拠のない中傷は、確実に医療者の反感・憎しみ・軽侮をかき立てています。別に医療者に限らないでしょう・・・高度に自律した職業的専門家であればあるほど、こうした煽動的なメディアの悪し様に嫌気がさしています。今に顧みられなくなるときがくる・・・そのときに、彼らメディアはどのような言い訳をするつもりなのか。あるいは、今回のようにただ開き直って「人のせいにする」のか。

次回は、「メディアによる中傷」の実例をここでも紹介したいと思います。
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コメント

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コメントなんちゃって救急医 | URL | 2010-03-09-Tue 21:06 [EDIT]
久しぶりに訪問させていただきました。私ども気持ちを見事なまでに代弁してくださっているようでとても感動しました。ありがとうございました。久しぶりに私も今回だけはブログ記事を挙げましたのでもしよろしければご訪問下さい。
お返事いたします
コメント鴛泊愁 | URL | 2010-03-09-Tue 22:22 [EDIT]
< なんちゃって救急医先生 >

先生方の感じておられる怒り、全部とまではいかなくてもわかるつもりです。今日のエントリーでも書きましたが、こんな中傷文のために先生方は働いてこられたわけではありません。せめて、人並みの知性と品性を持つ者だけでも、この痛みを分かち合いたいと思う次第です。

そうした者も非医療者の側には、確かに存在している・・・そのことだけでも、ご理解いただけたら嬉しいです。
どうも有難うございます。
コメントうろうろドクター | URL | 2010-03-11-Thu 22:38 [EDIT]
他ならぬ、なんちゃって救急医先生も、
マスコミ報道に絶望して、ブログの執筆を止めてしまった一人です…


やはり、医療崩壊の諸悪の根源は、
こういう記事を平気で書く大マスコミなのだろうと思います。

新聞・テレビも斜陽業界ですが、崩壊するのは医療の方が早そうですね…
再び、お返事です
コメント鴛泊愁 | URL | 2010-03-12-Fri 08:01 [EDIT]
< うろうろ先生 >

崩壊「させられる」のは、確かにそのほうが早そうです。マスコミの罪は確かに重大ですが、この問題でまともな答えを示していない一般大衆の悔い改めガなければ、同じことだと思っています。むしろ一般大衆の見識が劣るからこそ、マスコミがこのような文章を流しているわけで。

来るべきとき(完全に「崩壊してしまった」とき)に、しっかりと本当の罪人の名を指し示せるよう、物証を残すのは必要かと思います。
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