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(大淀事件・つづき)メディアの罪が、消えることはない
2010-03-02-Tue  CATEGORY: 医療崩壊
昨日の続きです。

今回の主題です・・・メディアの罪が消えることは、絶対にありません。実際には地方の医療機関では手に負えない症例であったにもかかわらず、むやみに「母子ともに助ける」という過大な要求を押し通し、現場を悪し様に罵り、現地の産科医療を完膚なきまでに破壊してしまった・・・その罪を贖うことが、今回の一件に関する報道では何にも増して求められていました。

しかし案の定というべきか、今回も彼らは自分の犯した罪を振り返ることなくお茶を濁しています。

読売の3月2日記事

朝日の3月2日記事

毎日の3月2日記事

共通しているのは、原告サイドへの過剰な思い入れです。原告の主張をことさらに手厚く取り上げる一方、医療側の抱えている実情については黙殺。判決文に後書きされたに過ぎない「付言」は、訴訟全体から考えてさほど重要ではないのですが、医療側への非難の意味を込めてわざわざ取り上げる嫌味な態度。

特に毎日・・・ここが元凶と言ってもいいです。真っ先に好き放題書き飛ばして要らざる不信の種を周囲にばら撒いた彼らの罪については、ここでしっかりと晒しておく必要があります。今回も、まともな申し開きはありませんでした。

(毎日の3月2日記事を引用)

奈良・妊婦転送死亡 : 賠償訴訟 「救急充実願う」大阪地裁判決言及 遺族請求は棄却

奈良県大淀町立大淀病院で06年8月、同県五條市の高崎実香さん(当時32歳)が分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院に受け入れを断られた末、転送先で死亡した問題を巡り、遺族が町と産科医に約8800万円の賠償を求めた訴訟の判決が1日、大阪地裁であった。大島真一裁判長(島村雅之裁判長代読)は遺族の請求を棄却した。しかし、3時間以上も転送を待たされた経緯に触れ「産科救急医療の充実を願う」と付言した。【日野行介】

原告は、夫晋輔さん(27)と転送先で生まれた長男奏太ちゃん(3)。主な争点は、産科医が頭部CT検査を実施せず、死因となった脳内出血ではなく妊娠高血圧症の子癇(しかん)とした診断の過失と、救命可能性の有無だった。

判決は、脳内出血が発生した時刻を、実香さんが頭痛を訴えた06年8月8日午前0時ごろと推認。その上で、「設備の整った医療機関にできるだけ迅速に搬送することを優先させた判断は不適切とは言えない」と産科医の過失を否定した。

転送時期と実香さんの死との関係については「仮に(初期段階で)脳の異常を診断し、(設備の整った)奈良県立医大に搬送したとしても、手術開始は午前3時半ごろと考えられ、救命の可能性は極めて低かった」と述べ、請求を全面的に退けた。

一方、判決要旨の朗読後、大島裁判長は産科救急医療の現状に触れ、「重症患者でも現場で搬送先を探しているケースが多く、『救急医療』とは名ばかりだ。人の命を守ることは国や地方自治体に課された責務で、産科など救急医療の再生を強く期待したい」と述べた。

◇実香の命の重さ感じた 夫、無念さと期待と

遺族の願いはかなわなかった。奈良県大淀町立大淀病院で分娩(ぶんべん)中に意識不明となり、19病院に転送を断られた末、死亡した高崎実香さん(当時32歳)の医療訴訟。大阪地裁は1日、町と産科医側への賠償請求を退けた。しかし判決は、実香さんの死後に浮き彫りになった産科救急医療体制の不備を指摘した。夫晋輔さん(27)は「判決は残念で実香に申し訳ない気持ちだが、裁判所の意見は良かった」と複雑な心境を語った

晋輔さんは法廷の原告席に背筋を伸ばして座り、じっと目を閉じたり、ハンカチで目を押さえたりしながら、判決に聴き入った。

晋輔さんは毎回、裁判に出席する一方、各地で講演会などに参加し、産科医療の改善を呼びかけてきた。訴訟を起こしたことで、インターネットの掲示板でいわれのない批判や中傷も受けた。それでも法廷に足を運び続けたのは、実香さんが亡くなる直前に出産した長男奏太ちゃん(3)に「お母さんのおかげで産科医療が良くなったんだよ」と伝えたかったからだった

判決後、記者会見した晋輔さんは、請求棄却について「頭が真っ白で言葉が出ない」と唇をかみしめた。しかし、産科救急医療体制の改善を求めた裁判所の付言には、期待を込めた。「実香の命が重いことを改めて感じた。奏太に説明できると思う。医療界が受け止めて、早急に産科医療の体制を整備してほしい」と語った。また、石川寛俊弁護士は「主張が十分、受け入れられなかった。控訴するかどうかはまだ考えていない」と述べた。

一方、西浦公章・大淀病院院長は「審理が尽くされた結果と受け止めている。産科救急医療体制の充実を強く希望するとともに、医療体制充実に努力したい」とのコメントを出した。【高瀬浩平】

■解説

◇患者と医療界、改善へ連携を

19病院に受け入れを断られた高崎実香さんの死は、危機的な産科救急搬送システムの実情を浮き彫りにした。賠償請求は棄却されたが、産科医不足や、産科と一般の救急医療システムとの連携の不備など、医療システム全体の問題点に一石を投じた意義は大きい

実香さんの問題などを受け、厚生労働省は今年1月、産科救急医療を脳神経外科などと連携させるよう都道府県に通知。しかし、厚労省が昨年11月に発表した医療施設調査結果によると、分娩可能な医療施設は08年までの3年間で1割以上も減少した。背景には深刻な医師不足や過重労働があり、連携強化だけでは不十分だろう。

実香さんの遺族は「二度と同じ事故が起きてほしくない」との思いから体験を講演などで訴えているが、医療界には「訴訟が多いから産科医が減る」などと遺族側を批判する意見もあった。救急医療体制の充実に向けて、患者側と医療界が手を携えて動いてほしい。【高瀬浩平】

(問題点は太字にしました)

昨日も一部書いていますが、重要なことなので再度書きます。

付言にあった・・・そして記事の中で強調され続けている「体制の充実」ですが、はたしてそのためにどの程度の対価が必要となるか、わかった上で書いているのでしょうか。この問題は、スタッフが過労死するまで働けばどうにかなるといった生易しいものではありません。人も、投入される医療資源も、要求される医療水準を満たすには不足しているのです。体制の充実のためには、資金的裏づけが必要不可欠・・・果たしてそこまで考えて、この文章は書かれたものなのか?
国は医療費をケチり続けています。行政は医師を自分の都合に合わせて扱き使うことしか考えていませんし、政治は医療費増額の政権公約をあっさり反故にしました。有権者は医療のことなど深く考えもせず、何かあるたび無体な要求をすることはあっても、必要な対価の何たるかすら考えようともしない。かくのごとく、皆の心は貧しい・・・その貧しさこそ元凶。その元凶に鋭く切り込んでこそ、メディアの仕事には価値が生まれるのですが。

患者であれば何を言っても許されるわけでは、勿論ありません。中傷は論外ですが、批判は正しいものでした。医療費はここ数年抑制されてばかり、スタッフは過労で斃れる中要求だけ大きくなれば、破綻は当然の結論です。原告は訴訟など起こすべきではなく、医療費を増やすため医療者とも連帯して行動するべきでした。それが「産科医療を良くする」ために、何より必要な行動でした。
この問題を取り扱った記者の中に、そこまで思慮の行き届いた者がはたしてどれだけ存在したか。現実には、記者たちは無条件に患者側を弱者と規定し、勝手に医療者を強者と見立てて攻撃を加え、正義の味方のふりをしました。安直なヒューマニズムを読者に押し付け、その判断を誤らせ、ありもしない医療不信の種を各所にばら撒き続けた・・・その結果が産科の閉鎖と、お産難民の続出なのですが。

必要なことは何一つ口にせず、やってはならないことばかりしてきた、という意味で彼らメディアの罪はきわめて大きいものがあります。自らの罪については、せめてこういう場だけでも自己告白・自己批判が必要です。それが出来るだけでもまだ、読者がついてくるだけの価値を見出せます。この件について識者が激しくメディアを非難するのは、そうした自己批判を拒み続け、今に至るまで繰言で己を取り繕ってきた、その精神態度の故です。
医療費をひたすらケチり続ける政府の批判なしに、どうして医療のより良き未来を口にすることが出来るのか。対価を出し惜しみ、要求するだけの患者たちを批判できない者が、医療の改善をどうして要求できるのか。口先だけで患者と医療者との連携を叫び、一方で医療者の名誉を毀損して患者たちを惑わせる言説に終始してきたその姿、偽善でないとすれば何だというのか。

この罪を犯しているのは、何も毎日に限りません・・・しかし皆が皆、同じように振る舞い自ら恥じ入ることすらない。その限りにおいて、識者はそうしたメディアの精神態度を決して許すことはないでしょう。この問題と、その中で彼らの犯した罪を知る者は、皆新聞その他の媒体に対価を支払わなくなっています。いずれ、決定的な意味での報いが来ます・・・それだけは、最後に書いておこうと思います。
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コメント

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コメント笑い男 | URL | 2010-04-07-Wed 13:08 [EDIT]
どうでしょうか?たしかにマスコミの以上報道は批判されて叱るべきです。それに、友人から聞きましたが、搬送時点で死亡した妊婦は助けられようにもダメな状態だったそうです。
しかしそれでも、自分は遺族を支持します。そもそも病院側の対応が悪かったことが、遺族が「無実の」大淀病院を訴える結果になったのではないでしょうか。
願わくば、だれかが大淀病院に刑罰を加えることを期待しています。
そして、これ以上、(これは大問題です)遺族への過剰なバッシングをしないようにすべきだと思います。
以上です。
笑い男様へ
コメント鴛泊愁 | URL | 2010-04-08-Thu 18:29 [EDIT]
まずはじめに、貴方とは意見が一致しない点が多いです。やむを得ないことと考えますが、この問題でコメントしている先生はたくさんいらっしゃいます。是非ご覧になってください(最低でも半年分くらいは)。そうすれば、いろいろわかってくると思います。

いろいろ問題のある表現が多いです。

・ 病院側の対応が、どのように問題であったのか
・ 病院が刑罰を下されなければならない理由が、どこにあるのか

ついでに書けば、この件では無根拠に医療側が袋叩きに遭っています。現場の医療者だけでなく、この一件でメディアがやったことについて根拠を挙げて批判した医療者(と、その理解者)に対しても、中傷は行われています。そちらの方も、しっかり問題にしてほしいものです。
コメントましだ | URL | 2010-04-09-Fri 02:46 [EDIT]
横レス失礼します。

笑い男さんへ
>>願わくば、だれかが大淀病院に刑罰を加えることを期待しています
この言葉は聞き捨てならぬ一言です。
今回の事件が起こった際、大淀病院のどこに対応が悪かったと云えるのでしょうか??深夜0時を回った深夜、急変した妊婦に対し、1人で産科を切り盛りしていた医師(前日も通常勤務をされていました)、スタッフらが夜通しで搬送先を探し、やっとのことで国循に搬送。妊婦は残念ながら救命できませんでしたが、児が無事に生まれたことだけでも幸いではないでしょうか。
もし病院の対応が悪かったら児すら救命できていませんよ。むしろ、これ以上良い対応とは何か、知っておられるならご教示いただきたいくらいです。

ご遺族のやりきれない思いは察するに余りありますが、これを病院の責任として裁判を起こす背景にあるのは、生命の不確実性の無理解、日本の産婦人科の先生方の過酷な勤務実態に対する無理解であり、このような無理解をもたらしたのは他でもないマスコミの報道です。

笑い男さんもマスコミの報道を一度懐疑的な目で見てください。マスコミは営利企業であることを忘れずに。そうすれば色々と見えてくるものがあると思います。

長文失礼しました。
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