QMA、その他ゲーム以外のことも、つれづれなるままに書いていこうと思います。どんな文章になることでしょうか。
月の光に照らされて
スポンサーサイト
-----------  CATEGORY: スポンサー広告
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
ページトップへ
9月9日の、救急に関する話
2009-09-10-Thu  CATEGORY: 医療崩壊
9月9日は重陽の節句、ということですがここでは「救急の日」という前提でお話を進めます。とりあえず引用から開始しますが・・・皆が医療を食い荒らす光景のひとつで、実に面白くないものです。

(9日のNHKニュースより)

去年1年間に、救急車が患者を医療機関に搬送するまでにかかった時間は、全国平均で35分余りと、過去最悪を更新しました。患者の容態に応じて搬送先の候補をあらかじめ決めておく新たな制度が来月から始まりますが、専門家は、医師不足などの問題解決が重要だと指摘しています。

総務省消防庁によりますと、去年1年間に救急車が搬送した患者は全国で467万7000人と、前の年より4.6%少なくなり、減少の割合は、これまでで最も大きくなりました。緊急性の低い119番通報を控えるよう呼びかけたことが効果を上げたとみられています。一方で、通報を受けてから患者を医療機関に搬送するまでにかかった時間は、平均で35分6秒と、前の年より1分40秒余り長くなり、過去最悪を更新しました。総務省消防庁は、医師不足などの影響で受け入れ先の医療機関が見つかるまでに時間がかかっていることが原因とみています。来月からは患者の容態に応じて、地域ごとに搬送先をあらかじめ決めておく新たな制度が始まりますが、受け入れ体制の整備が依然として課題となっています。救急医療が専門の昭和大学の有賀徹教授は「新しい制度の導入で搬送をめぐる問題は多少、改善されるだろうが医師や看護師不足、病院の経営悪化といった根本的な問題を解決するのが重要だ」と話しています。

(引用ここまで)

太線部分ですが、医療機関が受け入れを渋るのは当然だと思ってください。最近は何かあったら医療側に責任を押し付ける風潮が酷く、結果が悪ければ結構な確率で訴訟になり、敗訴します。場合によっては刑事責任を問われるケース(福島の大野病院事件を想起していただければ)も発生する中、危険だと判断した患者を敬遠するのは「当然の結果」であり、それ以外の何物でもありません。

救急の困難さは、こんなところに顕著になって現れます。

< ① 劣悪な待遇 >

救急医は、ろくに休息を与えられていないまま勤務を強いられているケースが多いです。自分が何度かお会いした先生(救急を担当されています)が毎回、やつれた顔をしていることをよく憶えている者としては、何故そこまでして救急を続けるのかと聞きたくもなります。普段皆が寝ている時間帯に起きて仕事をすること、更にその仕事の内容が緊張を強いられるものであることを考えると、そのストレスは想像を絶するもののはずです。
しかも給与面でも、たいした金額になっていないパターンが散見されます(公立の医療機関などは特に)。診療報酬も特段良いわけではないし、スタッフの労苦に全く見合っていない処遇しか、制度上なされていません。仕事がきついわ、給料が特にいいわけでもないわ、これでは後進が育たないのは当然です・・・今の先生方がいなくなったら、次は誰がこの困難を引き受けてくれるのでしょうか?

< ② 高くなった訴訟リスク >

救急を行う設備は、たいてい通常の設備ほど整っていません。少なくとも、患者側が希望通り診療してもらえる可能性は少なくなります。少し考えてみればわかることですが、普段仕事をしていない時間帯に普段と同じ医療スタッフが仕事をしてくれるわけではありませんし、当然普段と同じ質の医療が提供されるわけでもありません。救急はあくまでも応急的な措置、上に書いたような疲弊したスタッフに平常時と同じ水準を要求するほうが間違いだったのです。
しかし皆はそのように考えず、何か不都合があると医師や病院が悪いと喚き散らし、事あるごとに訴訟を起こしてきました。こういう訴訟を自分は好みません・・・もし万が一医療側に責任を押し付ける判決が出てしまったら、その瞬間同じような医療行為は全てしてもらえなくなるのです。加古川で専門外の患者を診てしまったがために、三千九百万円の損害賠償をする羽目になった病院があります・・・こんな実例があるのだから、救急の現場が患者を敬遠するようになるのは「至極当然の結果」なのです。

ちなみにその加古川ですが、今は勤務医の離反が相次ぎ、内科などは閉鎖寸前になっています。先生方は地域の実情など、よく知っています・・・特に悪い噂は。上で書いた福島やここで書いている加古川など、医師が継続して勤めていこうと思うだけの強い動機を持てないような場所(「心の僻地」「聖地」と表現されることが多いです)は、最優先でうち捨てられることになるでしょう。具体的には、医師の反感を買うような行いが過去あれば、それだけで十分です。医師への報酬をケチったり、何かにつけ医師を目の敵にする住民が徒党を組んでいたり。全国どこにも医師がいない現状では、地域にこうした実例があれば、それだけでアウトです。

この問題ですが、解決を望むのであれば根本的に考え方を変える必要があります。先生方に頑張ってもらえるだけのことを、皆が真剣に考えて実行しなければなりません。まず、待遇をもっと良くしないと後進となる医師が残ってくれません。許容水準を越えた超過勤務は先生方を過労死に追いやります(ついでに、超過勤務で疲弊した医師の提供する医療水準は、当然ですが低下します)。人はいずれ死ぬわけだし、何かあるたび医師のせいだと喚き散らすのはもうやめにしたほうがいい。現状では、とても先生方に末永く頑張ってもらおうなんて無理だと思います。

まあ、皆がそこまで「考えられるようになる」ことを、自分はあまり期待していません。最近は何かあるたびに他人のせいにすればいいと考える、安直で下品な輩が多くなってきました。そうした輩がこの問題を「医師が患者のことを考えなくなったからだ」と好き放題口にすることは、十分考えられます。彼らはこの問題が行き着くところまで行き着いたとして、医療崩壊の原因を「軟弱な医者が逃げたからだ」とうそぶくに決まっています。そうした輩が闊歩するこの国の未来に、何かしら前向きなものを感じるのは、とても難しいことです。

・・・まあ仕方ないかも。国というものは中にいる人間次第で、際限なく落ちぶれることも出来ます。その様を冷ややかに見ているのも、かなりひねくれた意味で「一興」かもしれません。今日は実に面白くない話になってしまいました。
スポンサーサイト
ページトップへ  トラックバック0 コメント2
コメント

管理者にだけ表示を許可する
 
同感です
コメントancomochi | URL | 2009-09-12-Sat 04:03 [EDIT]
>医療崩壊の原因を「軟弱な医者が逃げたからだ」とうそぶくに決まっています。

同感です。

受け入れ不能報道の後、必ず一般市民の不当な医師叩きブログが乱立しましたが、私は「医療の実態を知らないからだ。知れば考えが変わるのでは」と思っていました。

しかし、最近になってようやく一般人にも医師不足、特に勤務医不足が周知されるようになってきましたが、今度は「勤務医が辛いからって開業に逃げるなんてそれでも医者か!開業医は楽して儲けてる」というような開業医叩きの声があがってきました。(そして勤務医に対しては、医師不足を言い訳に逃げ出すなんてそれでも医者か!という論調です)

産科医・救急医不足が周知されてくると「楽な皮膚科・眼科を選ぶ医者は邪道!!」といった皮膚科・眼科医バッシングが始まりました。

あるいは、訴訟のリスクが知られてくると「訴訟を恐れるなんて医師としての志が足りない」という声も出てきました。

そういう人たちは医療崩壊は全部医師のせいで自分達にはなにも責任がないと思い込み、叩きまくるのでしょうね。

上にあげたような根性論を声高に避けぶ方は、自分が医師になっても主張が変わらないのだろうか?と問いたくなります。。

焼け野原になっても気付かないと思います。患者の暴力が今まで以上に増えるんじゃないでしょうか。
お返事します
コメント鴛泊愁 | URL | 2009-09-14-Mon 21:06 [EDIT]
< ancomochi様 >

最後の一文ですが、イギリスではこれが現実のものとなっており、現場は相当にすさんでいるという話もあります。イギリスは英語圏の国から医師をかき集めることが出来ますが、日本の場合はもっといい待遇の国に医師を持っていかれることが確定的である以上、より救いがないといえます。

皆、自分勝手な輩ばかりということでしょう。本文でも書いていますが、やたらと他人を叩いて、それで自分は高みに登れるという勘違いが蔓延っているのが現実です。その醜さこそ、先生方がこの国の患者たちを見捨てる最大の理由になると思っています。
トラックバック
TB*URL
<< 2017/08 >>
S M T W T F S
- - 1 2 3 4 5
6 7 8 9 10 11 12
13 14 15 16 17 18 19
20 21 22 23 24 25 26
27 28 29 30 31 - -


余白 Copyright © 2005 月の光に照らされて. all rights reserved.
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。