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今日はフランスの話をします
2009-07-30-Thu  CATEGORY: 医療崩壊
表題ですが、以前コメントを下さったエキュルイュ様から文章をお借りしようと思います。この場を借りて、深く感謝いたします。

(引用開始)

フランスの医療でまず日本と異なるのと思う点を箇条書きにいたします

1.初診で大病院に通院する場合、保険が適用されません。初診は必ず地元の町医者(かかりつけの医者を指定し、フランスの保健省に当る機関へあらかじめ届け出なければならない。なお、この届出はインターネットを持ちても可能)大病院にいくのは、町医者では対応できず、紹介状を書いてもらった場合、初めて行くことが可能になります。ただし、救急医療に関してはこの限りではありません。

2.町の開業医での初診料は20ユーロが基本です。そして、患者は一旦全額支払わなければなりません。同時に医師から、保険料支払いを求める書類を受け取ります。患者は受け取った書類に必要事項を記入してCPAMという保険機関に保険料の支払いを請求する書類を投函、送付します。後日、その払い戻しが指定された口座に振り込まれたことを示す書類が届きます。これは救急車による搬送費用でも同じように扱われて、私もフランスで救急車のお世話になったとき、約140ユーロ(約18000円)を一旦全額負担し、その後保険料によって払い戻しを受けました

3.フランスの保険機構でも医療にかかる費用は全てまかわれません。私の場合、診断内容にもよりますが、70-80%は保険料から後日、払い戻しを受けます。フランスには残りの負担をまかなう民間保険というものがあって、多くの人は別途この保険に加入します。保険料は私の入っていた保険では年間2100ユーロ(約28万円)、会社勤めの場合、この半額は会社で負担してもっらっていたので、自己負担は半分、日本円にして毎月1万円ほどの保険料を支払っていました。

4.町医者で受診できる内容は非常に限られています

4-1 血液検査ができません。
4-2 レントゲン撮影ができません。
4-3 超音波エコグラフィー、更にそれ以上の診断装置を用いた診断ももちろんできません。

これらの診断を行いたい場合、検査専門機関(フランスでは良くLaboratoireラボラトワールと呼んでいました。通常の研究所、という意味とは分けて使われます)に予約を取り、自らの足を運んで検査を受けに行きます。たかが血液検査ですら、このような手順を必要とするのです。
これは患者からみれば非常に面倒くさくて、不便なことです。しかし、これは各病院がわざわざ専門の設備をそろえるために多額の出資をする必要が無くなり、病院経営を圧迫しないようにするための方策でもあります。

5.フランスでは院外処方が当然で、それもジェネリック薬品が処方されます

6.フランスの消費税率は19.6%。スーパーで買う食料品、惣菜関係は5.5%です。ちなみに、吉野家の牛丼がもしフランスにあれば、それには店内で食べる場合19.6%、テイクアウトでは5.5%の方の税率が適用されます。マックでも実際そうです。(面白い税金のシステムですね。)

7.フランスは日本よりずっとケチをしているように見えますが、これでさえ医療費の赤字が問題視され、サルコジ大統領は更なる医療費の見直し(自己負担の増加)を目指しており、フランスの政争のひとつとなっています

フランスの制度はどうでしょうか。こんな制度の下で暮らしてきた経験があるので、今の日本は十分過剰サービス、今の財源では破綻を来たすのが分かります。ところが、この甘えたともいえる状況が当たり前、あまつさえ海外はもっと優れているという実際の状況をまったく知らない質の低い報道でごまかされているのです

(引用ここまで)

つまりこういうことです。

・ 日本はフリーアクセスだが、フランスではアクセスの方法に制限がある(好きな医療機関をいきなり選ぶことが出来ない、ということです)。
・ 自己負担の踏み倒しが、日本とは違い非常に困難。
・ 医療制度のために、国民が払う対価は、フランスのほうが明らかに上。ここでは掲載しませんが、対GDP比率では、フランスは10%に対して日本8%。

対価の支払は、どのような形であれ、絶対に必要です。少なくとも、医師が過労死するまで酷使されることによって維持されるシステムに永続性など期待できません。この期に及んで医療費の削減が正義のような誤った言説を垂れ流す者が(メディア関係者を中心に)いるみたいですが、そういう連中だけで地獄にでも堕ちてください。医師が医療に殺されることなく普通に生活できるだけの水準を実現して、ようやく制度を維持できる可能性が生まれるのです。
しかしそのために、まずクリアしなければならないのは・・・やはり医療制度に対する考え方でしょう。最後のコメントの通りです・・・他国と比べて、日本の制度はずっと患者に甘いです。どこの病院に行ってもかまわないし、時間外だって遠慮なく押しかけることが許されているし、踏み倒しても自分たちは弱者のフリをしていれば皆が同情してくれる。8%しか医療に金を使わないケチな国民が、ここまで先生方に尽くしてもらえるのだから、もっと感謝するべき。2つ前のエントリーにあるようなゲスな新聞記者には、絶対出来ないことだと断言してもかまいませんが。

自分はよく素行の悪い患者を「クソ患者」と表現していますが(何度か書いていますが、そういう輩にカタカナ11文字はもったいないので)、何も病院の中で暴れる輩に限らないと思っています。自分たちがどれだけ恵まれた立場にあったか、そしてそれが誰の犠牲によって成り立っているのかを顧みることなく、ただただ要求だけ肥大化していった患者側の人間は、広い意味でクソ患者以外の何者でもありません。その性根が矯正されることなしには、現場の改善などとても不可能です。

どうやら、どこの国も同じことで悩んでいるようです。共通しているのは、皆自分の背負うべきものから逃げたがっているだけという責任原理の欠如・・・これでは、世界が傾くのも無理からぬところです。では、その流れに抗う者は果たしてどの程度残っているか。それが今後、より厳しく問われると思っています。
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コメント

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コメントエキュルイュ | URL | 2009-07-31-Fri 22:16 [EDIT]
こうやって見ると照れます。

少し補足

さて、初診は20ユーロなんですが、これはかかる病院によってランクわけされているんです。街医者の紹介状をもらって行く専門医などでは初回50ユーロ(こちらは経験あり)、80ユーロだったりするそうですよ。
まあ、こんなのは経験せずに健康で暮らすのが一番です。

なお、日本とフランスと共通しているな、と感じた瞬間

1.入院したときの食事がまずい(笑)

2.老人の入院患者に対して、看護婦(師?)が幼児言葉で話しかけることがある。こんなことをするのは日本だけだよ、と思っていた時代がありました...。
ありがとうございました
コメントセレネ | URL | 2009-08-03-Mon 20:26 [EDIT]
< エキュルイュ様 >

あらためてご好意、感謝します。

いろいろな裏話があって、とても貴重でした。こういうのは実際にその国で体験した人が一番よく知っているものですから。またいろいろコメントくださいましたら幸いです。

それにしても入院食、ですか・・・(苦笑)
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