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(新型インフルエンザ)貧困な行政、貧困な政治、貧困な報道
2009-05-06-Wed  CATEGORY: 医療崩壊
新型インフルエンザに対する対策ですが、あらゆる方面でいつ破綻してもおかしくない状況と推測します。原因は表題・・・皆が真面目に考えず、必要な対価を支払ってこなかったことの結果です。医療現場にギリギリまでの耐乏を強制しておきながら、今になって「万全の対策を」なんて無理です。

まず、こちらをご覧ください(5月2日、NHKのニュース)。

新型インフルエンザに感染した疑いのある人が、ほかの患者と接触せずに受診することができる「発熱外来」について、設置の準備が済んでいるのは計画全体の3分の1にとどまり、医師不足や設備不足が準備の遅れにつながっていることが、NHKが都道府県に行った調査でわかりました。

「発熱外来」は、新型インフルエンザが発生した直後に、感染した疑いのある人がほかの患者と接触せずに受診できるよう、都道府県が主な医療機関に設けるものです。

この発熱外来の設置状況について、NHKが都道府県に調査をしたところ、1日正午の時点で、41の都道府県があわせて486か所で設置の準備が済んでいると回答しました。

発熱外来の設置計画は都道府県によって異なりますが、準備が整った施設の割合は、現在明らかになっている計画全体の33%にとどまっています。

準備が進まない理由を複数回答で尋ねたところ、

▽「医師不足」をあげたところが30%で最も多く、次いで、
▽「感染者を受け入れるだけの設備がない」が21%、
▽「病院や医師会などと協議中」が19%、
▽「まだ国内で発生していないから」が17%

などとなっています。

また、都道府県が「準備が整っている」と回答した病院に取材したところ感染を防ぐための設備が十分に整っていないところが多いこともわかりました。

厚生労働省は1日、「47都道府県すべてで設置の準備が済んだ」と発表していますが、実際には受け入れ態勢が整っていないことが、今回の調査で明らかになりました。


新たな外来の設置にはスタッフと設備が必要です。当然コストも必要・・・しかしそのための原資は、病院の持ち出しなのです。つまり国は「金は出さないけど国民のためにご奉仕せよ」と仰っているわけです。国を挙げての対策が必要な時期に、予算措置のひとつもないわけだから、行政の貧困はかなりのものです。それは即ち、政治の貧困です。医療に対価を支払わなくてもかまわないという選択を何十年も続け、次々に医療機関を閉鎖に追い込んでおきながら、何の反省もなく現場に負担を押し付ける政治もまた、度し難いほどに貧しいものなのです。

そのツケは、現場の医師が払わなければなりません。次は、そんな不条理を紹介します。

5月2日朝日の記事より

医師の感染リスクは、ちょっと考えればわかる通り大きいです。当然といえば当然・・・また問題は、それだけに留まりません。医師が感染すれば病院全体が危機に陥ります。ただでさえ体力の落ちている患者は、院内感染で真っ先に生命の危機に陥ります。それを防ぐには、まず医師の安全を守る必要があります。日常の経営が苦しい病院に、それだけの十分な装備を保障する経済力があるわけがなく、それも対策の障害になる事項です。

以上、日常において医療に対価を支払ってこなかったことの結果、社会全体が大きな危険に晒されるという話をしました。しかしメディアはそうしたことはお構いなしに、何かあれば医療サイドに責任を押し付けています。たとえば、今回はこんな感じです(5月5日の「変態」毎日新聞より)。

新型インフルエンザへの警戒が強まる中、東京都内の病院で、発熱などの症状がある患者が診察を拒否される例が相次いでいることが分かった。都によると、2日朝~4日朝だけで計63件に上る。新型への感染を恐れたためとみられるが、感染者が出た国への渡航歴などがない患者ばかりで、診察拒否は医師法違反の可能性がある。大学病院が拒否したケースもあり、過剰反応する医療機関の姿勢が問われそうだ。

患者から都に寄せられた相談・苦情によると、診察拒否のパターンは(1)患者が発熱しているというだけで診察しない(2)感染者が出ていない国から帰国して発熱したのに診察しない(3)自治体の発熱相談センターに「新型インフルエンザではないから一般病院へ」と言われたのに診察しない--の三つという。

拒否の理由について都は「万一、新型インフルエンザだった場合を恐れているのでは」と推測する。拒否されたため、都が区などと調整して診療できる病院を紹介した例も複数あった。「保健所の診断結果を持参して」と患者に求めた病院や、成田空港に勤務しているとの理由で拒否した例もあった。友人に外国人がいるというだけで拒否された患者もいたという。

国や自治体は、熱があって、最近メキシコや米国など感染が広がっている国への渡航歴があるといった、新型インフルエンザが疑われる患者には、まず自治体の発熱相談センターに連絡するよう求めている。一般の病院を受診して感染を拡大させることを防ぐためだ。だが、単に熱があるだけなどの患者は、その対象ではない。

都感染症対策課の大井洋課長は「診察を拒否する病院が増えれば、『症状を正直に申告しないほうがいい』という風潮が広まるおそれがある」と懸念している。【江畑佳明】


医師が診療しなかったのは、過剰な反応ではなく、理由あってのものです。上に書いたように医師の感染は、即ち病院全体の危機です。水際の阻止など当てにならないもので、既にこの国も感染の疑いのある患者は存在しているかもしれません。ならばなおのこと、既存の患者を守るため、新しい患者を「敢えて受け入れない」必要があります。そこまでわかっていれば、こんな記事は書けないわけで・・・さすがに大淀の件以来ヨタ記事の連発で瀕死の「変態」毎日新聞です。
病院は、新型インフルエンザのために特別な対応を強いられています。当然ながら、他の症状(昔からあるインフルエンザも含め)への備えは、人的にも物的にも甘くなります。また日頃から、病院は低医療費政策の結果十分な経営体力を有していない場合が多く、その分平常の業務には差し支えが生じます。ただでさえ(救急の困窮を見ればわかるとおり)非常時の備えが出来ていない今の医療体制に、何もかも即時対応すべきという非現実的な主張をするマスコミは、この件に関する限り有害無益の一語に尽きます。

以上、報道もまた、悲しいくらいに貧困です。全部に当てはまりますが、皆自分の果たすべき役割を自覚することもなく、ただ責任を現場に押し付けてばかり。行政や政治は最低限日常の業務には困らないだけの医療費を提供する必要があり、メディアは現状の正しい理解とそれに基づく確かな報道をしなければなりません。現実には、医師は過労死するまで適正な賃金の支払もないまま酷使されているし、適当なヨタ記事で理由もなしに攻撃され続けています。その結果、どんどん現場から人がいなくなり、誰にも助けてもらえなくなる。
今回の新型インフルエンザは幸いに、深刻な毒性を持っているわけではないようです。しかし今後毒性の強いウイルスに変化する可能性は、常にあると思います。こういう風に現場の負担を増やしてばかりいると、今に悲惨な結果を招きます。この国の医療システムは、既に限界まで来てしまっています。こちらとしては、より毒性の強いウイルスの大発生という事態が生じないよう、天に祈るほかはないのでしょうか・・・せめて自衛だけはできるように、しようと思います・・・
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コメント

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桝添もついに牟田口化
コメント都筑てんが | URL | 2009-05-07-Thu 01:39 [EDIT]
「諸君、担当医は、院長命に背き患者の診察を放棄した。受け入れ態勢がないから医療は出来んと言って患者の診察を勝手に断りよった。これが病院か。病院は受け入れ態勢がなくても受け入れをしなければならないのだ。検査キットがない、やれタミフルがない、リレンザがないなどは診察を放棄する理由にならぬ。

(中略)

担当医には応召義務があるということを忘れちゃいかん。病院は公立である。市長が守って下さる・・・」

以下、訓示は一時間以上も続いたため、当直明け通常勤務後の残業の連続で、抵抗力の落ちている医師がウイルスに罹り、病気で抵抗力の落ちた入院患者および外来患者に伝染する事態となった。

…。
……。
………。

感染者や感染者疑いを受け入れる、院内感染を防ぐための態勢が整ってないのに、「応召義務云々」で無理に患者を受け入れたら、院内感染が起きて「病院自体が感染源」になってしまう危険性があるんですよね…。

感染者を受け入れるための準備が整っている「発熱外来」ならともかく、検査キットも無い、リレンザが無い、タミフルも無い、院内感染を防ぐための設備も整えられてない一般病院では、患者を受け入れられなくても仕方がないと思います。

●タミフル・リレンザは既に出荷制限がかかっており現在は指定病院にしか入荷されない。各病院におけるそれらのストックも(当然ながら)万全ではない

●インフルエンザ検診キットは消費期限が短く、この時期に一般医療機関におけるストックはまずない。もし追加生産されても、それらは指定病院や検疫機関へ最優先に出荷される為、一般医療機関には入荷されない。

上記のように受け入れ体制が不充分な一般医療機関にてそのような患者を受け入れ、新型インフルエンザによる集団院内感染が発生したら誰が責任を取るんでしょうかね?
お返事します~
コメント鴛泊愁 | URL | 2009-05-07-Thu 19:58 [EDIT]
< 都筑てんが様 >

誰も、責任は取らないと思います。今回舛添氏は責任転換で医療側の心証を激しく害しましたが、国民一般の見識も似たりよったりと考える必要がありそうです。医師が奴隷程度の扱いしか受けていない国で、まともな医療など実現するはずもありませんが。医師の過労死は放置、理由があっても診療拒否はあれだけ大騒ぎするわけですから、実に身勝手なものです。

とりあえず、法令違反を口にするなら労基法に違反している勤務形態について、抜本的改正に取り組んでもらいたいものです(嘲笑)。
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