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「拒否」されても文句を言えない、理由がある
2009-03-06-Fri  CATEGORY: 医療崩壊
こういうニュースばかりですが、馬鹿みたいに「拒否」なんて言うものではありません。もうそこまで、救急の現場は逼迫してしまっています。キャパシティの限界でも、言い訳を許さないなんて・・・正直品性の問題かも。しかし今日は、あえて「拒否」の理由について書いていきます。

まずはこちらから。

(引用開始)

11病院が受け入れ拒否=硬膜下血腫の2歳女児、収容まで67分-札幌市

時事通信(03月06日13時00分)

札幌市で昨年、頭を強く打って意識不明となった女児(2)が、11の医療機関に受け入れを拒否され、病院に収容されるまで1時間以上かかっていたことが6日、分かった。市消防局は「夜間で、小児科と脳外科が複合した難しいケースだった」としており、「専門外」や「処置困難」などを理由に拒否が相次いだという。
市消防局によると、昨年11月の午後8時台に119番があり、急性硬膜下血腫の女児を救急車で搬送。受け入れを断る医療機関が相次ぎ、延べ13回目の問い合わせで、いったんは拒否した救命救急センターに収容されたが、最初の通報から67分が経過していた。 

(ここまで引用)

「拒否」するのには、理由があります。最近は訴訟が頻発しており、しばしば医療側が正当な理由なく敗訴しています。のみならず、福島の件のように手錠で脅迫される事態にまで、及んでしまっています。危険な患者は、はっきり言ってしまえば、診ない方がいいのです。無理して診療して、もし間違いがあれば訴訟で負ける。最悪刑事訴訟になる危険もある。それくらいなら、「拒否」で叩かれるほうがよほどマシ・・・そういう考え方だって、成り立ってしまいます。

今回は、このニュースを掲載します。2年近く前ですが、この出来事の結果、救急医療における「防衛医療」の流れが一気に加速しました。つまり、上の話のように、危険な患者は診るべきではないというコンセンサスが成り立つきっかけです。

(再び引用開始)

加古川市に3900万円賠償命令 心筋梗塞の男性死亡

兵庫県加古川市の市立加古川市民病院で03年、
急性心筋梗塞(しんきんこうそく)で運ばれた
男性が死亡したことを巡り、医師が効果的治療が
可能な病院への転送を怠ったのが原因だとして、
妻ら遺族4人が同市を相手取り、慰謝料など
計約3900万円を求めた訴訟の判決が10日、
神戸地裁であった。

橋詰均裁判長は「効果的な治療を受けていれば
90%程度の確率で助かった」として、
請求通り約3900万円を支払うよう同市に命じた。

判決によると、男性(当時64)は03年3月30日、
自宅で心筋梗塞の症状が出たため、
午後0時15分ごろ、妻が同病院に連れて行った。
担当医師は同0時40分ごろ、急性心筋梗塞と診断して
点滴を始めたが、症状が変わらないため、
同1時50分ごろ、効果があるとされる
経皮的冠動脈再建術(PCI)が可能な
同県高砂市の病院への転送を要請した。

しかし男性の容体は悪化し、同3時35分ごろに
加古川市民病院で死亡した。
判決は「約70分も転送措置が遅れており、
医師に過失があると言わざるを得ない」とした。

樽本庄一市長は「非常に厳しい判決と受け止めている。
今後の対応は判決を検討して判断したい」とコメントした。

asahi.com:2007年04月10日

(ここまで引用)

この事件のあらすじは、こんな感じです。

病院の人手が足りない日曜日に、心筋梗塞の患者が来ました。治療に必要なスタッフがいない加古川市民病院では、対応できません。そこで、近くの病院に搬送の引き受けを依頼しました。転送先が決まるのに、1時間と少しかかりました。
この時間、一般的な搬送時間と比べて、特に遅いという訳ではないようです。引き受け先が決まるまでの病院側の対応について、特に重大な過ちがある訳でもないです。それでも結果が悪かったら、全部病院のせいにされてしまったのです。

この判決、加古川市が控訴しなかったので、そのまま確定しています。その影響は、何度も書きますが深刻なものとなりました。病院が責任を負わされたのは、とどのつまり危険な患者を不用意に受け入れてしまったからです。どれだけ頑張っても、結果が悪ければこのようにして指弾される訳ですから、最初から「拒否」したほうがよほど賢いわけです。ついでに言うと、それが裁判所の判断に最も合致する選択です。この判決は、多くの救急医が患者の受け入れについて、弱気な選択をする正当な理由になりました。その悲惨な結末が、多くの「受け入れ不能」(正しい言葉の使い方!)事例です。

そんなわけで、当分の間この「拒否」騒ぎは、解消されないと思います。医師にそのような決断をさせてしまった大きな原因が裁判所の判決、というのであれば致し方ないでしょう。恨むのであれば、このような愚かしい判決を出してしまった裁判所を恨んでください。間違っても、やむを得ず(司法判断には逆らえませんよね?)受け入れなかった医師の先生方を責めないでください。別に責めてもかまいませんが・・・受け入れても受け入れなくても叩かれるのであれば、先生方はいよいよ救急から離れる決断をするでしょうから。

かなり皮肉っぽく書いてしまいましたが、これが現実です。まず、その現実を受け入れること・・・その上で、本当はどうすべきだったのか、そしてこれからはどうしたいのか。めいめいが答えを示すべき時期は、もうそこまで来ています。
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