QMA、その他ゲーム以外のことも、つれづれなるままに書いていこうと思います。どんな文章になることでしょうか。
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「シナリオ通り」にしないために
2009-03-03-Tue  CATEGORY: 医療崩壊
引き続き、昨日の続きに入ります。

(引用続き)

■「政・官・財」が考えるシナリオ

―「医療崩壊」は、厚労省の政策ミスが原因でしょうか。

「医療は30兆円産業」といわれます。32兆-33兆円の市場が目の前にある。今は、その利益を医師が独占している。財界が食指を伸ばさないわけがないと思いませんか? 医療崩壊は、厚労省の政策の失敗の結果なのでしょうか? わたし自身も、数年前までは厚労省が悪いと思っていたのですが、実際に厚労省の人たちと会って話をしているうちに、「ひょっとして大きな勘違いをしていたのでは」と思うようになりました。彼らは、現場で起きていることを非常によく知っています。実は、医療崩壊の裏で進行している“本当のシナリオ”があるのではないでしょうか。
わたしは、現在の医療崩壊は、「政・官・財」のごく一部が考えている大きなシナリオ通りに進行していると読んでいます。以下の話は、全くの管見です。何のエビデンスもありません。わたしの想像、妄想の話として聞いてください。ただ、このように考えると、今、医療の現場で起きていることがうまく説明できるのです。

―どのようなシナリオでしょうか。

病院の経営を悪化させ、赤字にするのです。赤字にして、多くの病院を銀行や株式会社の管理下に置き、これに大手商社や生命保険会社などが参入するというシナリオです。つまり、「病院の再編」です。例えば、ある商事会社は医療ファンドを設立し、国民から集めた資金を元に病院の経営に参入しようとしています。その商事会社は医療(ヘルスケア)部門をつくっており、商社故、高額な医療機器も輸入しています。

彼らのターゲットになるのは、公立病院や公的病院でしょう。銀行や商社が設立した各種ファンドが買収したいと思うのは、医療機器が整備された立地条件の良い、比較的大きくて新しい病院です。実際に、四国地方のある公立病院は、PFI(private financial Initiative、民間資金の活用による公共サービス)が導入され、有名な流通業界の会社が運営に参加しています。社会保険庁が解体される時には、全国の社会保険系列の病院も、これらの買収の対象となるのではないでしょうか。さらに、都心で立地条件の良い病院もターゲットになります。最悪の場合は、マンションに建て替えればいいのですから。ただ、昨年の秋以降の不況の下では、この話は成り立ちませんが。

一方、小さい個人病院や老朽化した病院は見捨てられる可能性が高いでしょう。ではその時、患者さんはどこに行くのでしょうか。考えられるのは、介護施設の新設や介護施設への業界の参入です。財界は、“雇われ院長“を置き、経営の実権を握るのです。介護保険は、今後さらに大きな市場が見込まれており、費用対効果が病院よりはるかに良いからです。何と言っても、介護施設は、医療機器の整備などの設備投資が必要ありませんから。来年度は、介護関連の報酬が引き上げられるようです。

―「政・官・財」で、医療や介護を“食い物”にしようということでしょうか。

そうです。病院の買収が終わり、医療機関の再編が行われた時には、流通業界が参入してくるでしょう。物資を安価で大量に仕入れて流通させ、コストを削減するのです。現在、個人病院は病院ごとに購入していますが、コンビニなど流通業界では、段ボールの処理など“銭”単位の商売をしています。そのような流通業界の実績からすれば、十分なうまみがあると考えていると思います。
また、次には生保が参入するでしょう。混合診療に賛成している医師は少なくありませんから。つまり、民間の健康保険の導入です。通常の健康保険で受けられる医療はここまで、それ以上の良い医療を受けたかったら民間の健康保険を使うように、という流れです。確かに、憲法で保障しているのは「健康で文化的な最低限度の生活」ですから、誤りではないでしょう。ちなみに、自動車事故などを扱う損害保険会社は、既に相当の利益を上げているようです。
特に、「官界」は財務省主導ですから、われわれがターゲットにすべきは、厚労省ではなく財務省であり、財界です。そして、それらをつなぐ一部の政治家です。さらに、日本市場への参入をたくらむ米国の外資系企業です。しかし、日本医師会が反対すれば、このシナリオが思い通りに動きませんから、当面は、病院の保険診療点数を抑制する一方で、診療所やクリニックなどの「開業医」の保険診療点数を温存するようにしているのです。開業医(診療所)の利益を保障しておけば、病院の医療費を抑制しても、日医は最終的に反対できないと計算している。病院の経営はどんどん悪化し、銀行などの支配下に入るというわけです。

■医療再編で、診療所の経営が悪化

―最近、日医は内部的にいろいろとあり、「分裂するのではないか」との声もあります。

確かに、開業医と勤務医の集団に分裂する可能性もあります。しかし、もし分裂するようであれば、「政・官・財」の思うつぼです。彼らにとっては、分裂してくれた方が医療の再編がやりやすいと踏んでいる節があります。分裂すれば、笑いながら高みの見物をするでしょう。
では、病院の経営権が銀行や商社に移った後はどうなるでしょう。つまり、医療機関の再編が行われ、病院の系列化がほぼ終了した時点で、次に打つ手は何でしょうか? それは、病院の保険診療点数を高くする一方で、開業医の診療費を極端に下げてくるでしょう。そうしないと、自らが支配し、管理している病院の経営が成り立たなくなるからです。PFIが導入された四国の公立病院の例を見れば分かるように、いくら“経営のプロ”が運営に参加したとしても、現在の医療制度の下では、経営がうまくいくはずがありません。そろそろ契約解除という話もあるくらいです。
従って、彼らの利潤追求のために、開業医の診療費を極端に下げてくるはずです。この段階になったら、日医が反対しようが、「政・官・財」はびくともしない。大手マスコミを通じて日医をたたけばいいのです。マスコミの大きな収入源は広告収入ですから、財界の言いなりです。

―中小病院がつぶれて日医が分裂した後、つまり医療界が再編されたら勤務医の待遇が改善されますか。

若干、改善する可能性があります。ただし、だまされてはいけません。診療所の経営は、急激に悪化する危険性があります。現在の歯科医並みになることも予想されます。ですから、現在開業を考えている人は、もう一度考え直した方がよいかもしれません。
では、病院が銀行系列になった時、次に必要なものは何でしょうか? それは、労働者です。すなわち、医師と看護師の確保が必要になります。ですから、2004年にスタートした「新医師臨床研修制度」も、実はシナリオ通りです。これまで、大学の医局が医師の人事権を持っていました。しかし、これでは財界が病院の経営権を握った後、医師を集められません。つまり、臨床研修制度は、大学から人事権を奪い、医師集めを容易にするためのものなのです。医療界には、「臨床研修制度は失敗だった」と考えている人が多いと思います。そして、「早く制度の変更をしてほしい」と願っているでしょう。しかし、「政・官・財」のシナリオ通りに進行しており、財界は失敗とは考えていないでしょう。病院の再編が終わるまでは、現在の臨床研修制度を大きく変更する気はないと思います。

―商社や銀行が病院の経営権を握っても、勤務医の待遇は改善されないと。

臨床研修制度を導入する際、厚労省の提案に財務省が素直に従ったとは到底思えません。当時の国の財政状況から考えますと、財務省が臨床研修制度にそんなにお金を付けるはずはありませんから。臨床研修制度は、財務省と厚労省の思惑がたまたま一致した結果でしょう。「同床異夢」です。
さらに、文部科学省にも圧力が掛かっていると考えます。少子化で「大学全入時代」といわれ、倒産する大学も出ていますが、看護系・医療系の大学や短大、学部の新設だけは、どんどん認可されています。これは、どう考えても、非常に不自然です。結局、病院経営に必要な労働者を確保するためのシナリオが進行しているのです。

そして、再編が行われた後に病院経営の実権を握るのは、医療従事者ではなく病院の事務職員です。われわれ医師は単に、彼らに雇用された労働者であり、使い捨ての労働者のままでしょう。

■「文系学部」対「医学部」の闘い

―財界が病院の実権を握った時、医療は良くなるでしょうか。

営利企業ですから、当然のことながら、利潤追求型の経営になります。利益率の悪い分野は切り捨てられます。つまり、“お金にならない患者”は、確実に見捨てられるでしょう。
埼玉県の調査によると、特に重症とされる三次救急で“たらい回し”にされた病態のうち、最も頻度が高かったのは精神科的な問題がある救急患者でした。2位は高齢者の吐血や下血などの消化器疾患、3位は意識障害の患者でした。これらの患者さんは、手間がかかる割に収益が少なく、時にトラブルや訴訟に発展するリスクがあるからです。「診れない」のではなく、「診たくない」から断っているのです。
経営効率ばかりを重視した利益追求型の医療になると、このような精神疾患の患者、脳卒中の患者、高齢者、重度の障害を持つ患者、血液疾患の患者などが切り捨てられます。

―現在よりも深刻な事態になりそうです。

現状を見る限り、医療側に勝ち目はありません。負けることは確実です。
「医師や患者を見捨てるようなことはしないだろう」と考える人もいると思いますが、「政・官・財」は、そんなに甘くありません。太平洋戦争を思い出してください。若者が何万人死のうが、国民がどれだけ貧困に苦しもうが、そんなことにお構いなく、戦争に突入した国ではないですか。最近の農業政策を見ても同じです。幻想は捨てて、現実に戻りましょう。
今、医師がストライキを断行したところで、何も改善しません。一般市民も医療側をサポートすることはないでしょう。マスコミが医療側を支持する記事を書くと思いますか? そのようなキャンペーンをしますか? 医療事故で、あれほどまでに医療界をたたいたじゃありませんか。広告収入を大きな財源とするマスコミは財界の言いなりですから、医療側に立った記事を書くはずがないのです。

―解決策はありますか。

これからは医療訴訟もますます増えるでしょう。司法試験制度改革でロースクールができて、弁護士が増加しています。医療訴訟は大きな収入になります。民事訴訟は、訴えられた側は多大な負担を強いられた上、勝っても何のメリットもありませんが、弁護士にとっては、負けてもそれなりの収入が確保されます。わたしは、医療事故の原因を調査する公的な機関ができたら、刑事告訴の増加よりも民事訴訟が増加することを危惧(きぐ)します。弁護士は、調査委員会の報告書を訴訟に利用しようと待ち構えているのです。このような調査委員会の創設は、法曹界(法学部)のシナリオ通りでしょう。
結局、うがった見方かもしれませんが、これは法学部や経済学部など「文系学部」対「医学部」の闘いと言えるでしょう。文系の医系に対する「ねたみ」「ひがみ」「やっかみ」という精神的な要素も多分にあるのではないでしょうか。彼らは、天下り先の確保など、自らの権限を拡大するために、ありとあらゆる手を尽くしています。医療機関や国民のことなどは、これっぽっちも考慮していないことは明らかです。このような崩壊へのシナリオに、果たして国民はいつになったら気が付くのでしょうか。このことに医療界は既に気が付いている。防衛医療、萎縮医療に向かっている。医療崩壊が行き着くところまで行かないと、国民は気が付かないのかもしれません。
わたしは、今の日本に必要なことは、“物を作る”ところを大事にする文化であろうと思っています。すなわち、農業をはじめ漁業、林業、町工場、中小企業など、あるいは芸術分野なども含まれますが、“物を作る”ところを大事に育てるような社会構造の変革が必要です。マネーゲームでもうける職種、すなわち、人から集めたお金を横に流すだけで莫大(ばくだい)な利益が得られるような社会構造を変えていかなければ、日本の再生はないと考えています。

【略歴】
1952年 大分県生まれ
77年 東大医学部卒
77年 東京警察病院脳神経外科 医員
77年 東大医学部附属病院脳神経外科 研修医
78年 東京都立豊島病院脳神経外科 医員
80年? 大阪府立病院救急医療専門診療科 非常勤医員
80年 東大医学部附属病院救急部 研究生
85年 東京都立墨東病院救命救急センター 医長
95年 現職

(引用ここまで)

昨日同様、コメントは以下で。
ここで話になっていることは、将来ありうる最悪の姿です。全てそのまま信じていいかどうか判りかねますが、そのように考えると納得できることは確かに多いです。

試しに、こんな感じでまとめてみました。

財界の願望 → 医療という大きな市場を草刈場にすること。これまで同様安価で医師を扱き使い、患者から高額の医療費を毟り取ることも、当然考えの内。
国(この場合、主に財務省)の願望 → 医療費に関する政府の負担を減らすこと。財政再建のためなら、国民など医療難民になっても致し方ないと(悪魔的な考えですが)思っている。
政治家の立場 → 財界からの献金で成り立つ政治家ほど、この分野では積極的な言動をとれないと予想される。問題があれば、適当に医師にでも責任を転嫁すればいいとくらいにしか、考えていそうもない。
メディアの立場 → これまた、財界からの広告料で食わせてもらっている身ゆえ、財界の目論見に反した行動は絶対とらないと予想される。それ故、これまでもそうであったように(大淀の件を想起していただければ)、何かあるたびに医師たちを敵視する言説を垂れ流す。
一般大衆の見識 → これらの状況について、悲しいほどに無知無告。十分認識があり、危機感がある者はごく少数であるがゆえに、疎外され続ける。気づいたときには、医療難民としての末路のみが残されているのであろうか?

結局、こういうことになります。国も財界も、メディアも我々一般大衆にとっては敵でしかありえない。それ故、彼らの企みを打ち破るにはわれわれはまずしっかりと理論武装を行い、敵のまやかしに欺かれないようにしなければならない。のみならず、敵対する全ての勢力に対しては、全力でその報いを受けさせなければならない。既に一部現実化していますが、医療破壊に手を貸しているメディアは徹底的にボイコットする。これからやらなければいけない事として、医療破壊に手を染めた政治家は全員落選させる(後期高齢者医療制度について、思い起こしていただければ)。
本気で生活を守るのであれば、確かにその程度はやる必要があると思います。敵は豊富な資金力と影響力の強い電波という名の凶器を持っています。繰り返し医療費削減の、ありもしない正義を吹き込まれた結果、皆医療費の削減によってサービスが低下するとは考えず、却って医療がよくなるとさえ考えさせられていたことを忘れてはなりません。強い心を持って、医療制度の維持のため、積極的に行動することが必要となるでしょう。

そこまで行動できる、気概のある国民であれば・・・医師の先生たちも全力を尽くして、ともに闘ってくれると思います。しかしこれまでのところ、それだけのことをこの国の国民は出来ていません。のみならず、逆でさえあります・・・何かあるたび医師を目の敵にする言説を、メディアと一緒に繰り広げる有様。医師が愛想をつかした結果、自分たちがどんどん不幸になっていく。そんな国民の末路など、誰も同情しないと思います。
実際、多くの先生がこんな風に(中身は自分とは比べ物にならないほどしっかりしていますが)ご自身の日記で警告を発してくださっていますが、その文章が日を追うごとに悲観的になり、絶望感が深くなってきています。国民一般の見識がいつまでたっても低調なままなので、愛想を尽かしてしまった・・・そのように考えるほかありません。

果たしてこれでいいものかどうか・・・こんなつまらない末路、つまり世々限りなく搾り取られる未来を、本当に我々は望んでいるのか・・・あとで後悔しても遅いです。早く現実を認識する必要があります。金や権力を持っている人間は、概して敵です。立ち向かうために必要な知恵と力を、一刻も早く整える必要があります。

そのために、この文章、是非繰り返し読んでいただきたいと思っています。
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