QMA、その他ゲーム以外のことも、つれづれなるままに書いていこうと思います。どんな文章になることでしょうか。
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(大野事件)司法が介入したところで、答えは出ません
2008-08-25-Mon  CATEGORY: 医療崩壊
更に続きです。

司法を介入させることによって、医療に関する問題が解決するという事は、まずありません。むしろ、もっと酷いことになるかも。そう思う理由を、いろいろ書いていきます(だから、この訴訟に反対したのです)。

< ① 裁判になると、相互の信頼関係が崩壊する >

これは、この裁判でも起こったことですが・・・書いたとおりです。なぜなら、訴訟ではお互いが勝訴するために相手の矛盾を突き合うからです。医療は医療側と患者側が信頼しあって、共同で作業を行うから機能するのですが、このような関係になってしまうと相互の信頼は不可能です。むしろ、互いに腐しあい、貶しあうことによって、両者の関係を決定的なまでに破壊します。
また、訴訟の内容が世間一般に流布すれば、医療側と患者側の対立の原因になります。これも、この裁判で起こってしまったことです。相互が不信に陥った中で自己の正当性を主張し続ければ、社会全体で対立することになります。そうなれば、もっと医師の気持ちが傾き、医療が傾きます。

< ② 判決の中身によっては、医師だけでなく患者も不幸になる >

たとえば、こういうことです。この訴訟では運良く無罪でしたが、もし有罪であれば・・・その瞬間多くの医師が現場を立ち去ったことでしょう。リスクの高い患者に標準的な医療を施しても、結果が悪ければ罪を宣告されるというのであれば、そのような危険を誰も引き受けなくなります。そうなって不幸なのは、患者側です。なぜなら、医師はそうなっても適当に他の仕事を見つけるなり、海外に行くなりすればいいですが、患者側は医師がいなくなれば文字通り「死亡フラグ」が立ってしまうのです。
医療訴訟によって医療側の責任が認められれば、確かに患者側は少しくらい気が晴れることでしょう。しかしその結末は悲惨です。今後同じ状況に直面した患者は、誰にも助けてもらえなくなります。「この医療行為の結果、問題があれば我々は敗訴して賠償金を払わされるので、今後こんな手術は出来ません」と言われて困るのはどちらか・・・もう言うまでもないと思います。

< ③ 裁判は、真実性を担保しない >

これが、一番重要な問題です。裁判によって、真実は明らかになりません。思い起こしてみればわかるはずです・・・何故、この世の中に「冤罪」という言葉があるのでしょうか。裁判が、真実性を担保出来ないからです。裁判は、法的責任の有無を決めるための場所であり、それ以上の何物でもありません。
高度な専門性がある今回のようなケースで、その背景を十分理解しえる裁判官など、いても極わずかと思います。そのため、適切な判断を通常の訴訟では期待できません。そのような場に争いを持ち込んで「真実を知りたい」と口にしたとして、実は全く的外れの行為です。それを理解している人間は、残念ながら意外に少ないものです。

では、どうすればいいか・・・結局、訴訟に頼っても意味がないというのが答えです。訴訟によらない紛争解決が必要、と言う主張はその限りにおいて、決定的に正しいです。また場合によっては、訴訟そのものを制限することも、考える必要があるでしょう。民事はまだマシです・・・今回のような刑事訴訟は、訴えられる側にとって致命的、かつ深刻です。「医師を訴訟で脅迫すれば、まともな医療が受けられるようになる」という考えでいるのであれば、それは酷い思い違いです。その限りにおいて、医師はこの国の患者たちのために、もはや義理立てして治療してはくれないでしょう。

何かあるたび「医療ミスだ!」と喚き散らし、処罰感情を満たすために訴訟を乱用するのであれば、そうした患者はいずれ見捨てられることになるでしょう。今回の件で加藤先生を中傷し続けている輩に、それが理解できるとも思いませんが。しかしそれでも一つだけ・・・自分たちが見捨てられ、医療難民に成り下がるのが嫌であれば、そのために必要なことは考えて答えを出す必要があります。皆にそれが出来るか・・・しっかり見ていきたいと思います。

最後にもう一度だけ、今回のキーワードを書いておきます。

裁判によって、真実は明らかに出来ません。決められるのは、法的責任の有無だけです。
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