QMA、その他ゲーム以外のことも、つれづれなるままに書いていこうと思います。どんな文章になることでしょうか。
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終わらない鎮魂歌
2007-11-21-Wed  CATEGORY: 医療崩壊
まずは、こちらをご覧ください。今回の文章ですが、あまりといえばあまりの内容です。

「犠牲」

身近な医者を、2人亡くしています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一人は約10年前。

当時30代の、先輩医師です。

研究に、臨床に、非常に忙しくなさっていました。

たまにご連絡を下さる時は、決まって深夜2時3時のメールでした。

学生時代は体育会でご活躍された先生で、

人間?と思いたくなるようなタフさと、ひょうひょうとした笑顔を併せ持った

爽やかな先生でした。

大学病院勤務時代の夏、当時研修医だった私たちを集めて

ナイター見物に連れて行って下さったことがありました。

外野席で、ビールを飲みながらハンバーガーとポテトをほお張って

みんなでひゃあひゃあ言っていたら、

先輩だけ眠ってしまったのを、今でも覚えています。



その日も、病院で夜遅くまでお仕事をなさっていました。

術後の患者さんが落ち着くのを見届けた後、

0時過ぎから論文の添削を始めたところまでは、他の医師が見ていました。

翌朝、出勤してきた同僚医師が、医局で倒れている先生を見つけた時には

既にお亡くなりになっていたそうです。



葬儀には、婚約者の女性は出て来ることができなかったと、

後で聞きました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

今度は、友人医師を亡くしました。

彼女も、30代です。



同じ職場の上級医師が、過労でその病院に入院中でした。

元々、一人が過労になるような労働環境ですから、

多くをお話しする必要はないでしょう。

一人が入院・休職しても、現在の医療事情では代替要員は派遣されませんので、

残ったドクターたちは、目も当てられない忙しさでした。

緊急opeのある科の医師で、毎日遅くまでopeをした上に、

夜中も容赦なく呼び出されていました。

「過労だけは気をつけようね。壊れる前に、逃げようね」

と、お互い言い合っていたのに・・・



その日、彼女は当直でした。

翌朝、交代で当直に来た若い先生が当直室に入ると

彼女は机にうつ伏せになった状態で、亡くなっていたそうです。

大きな悲鳴を聞いて、一番に駆けつけた人が

何と過労で入院中の、彼女の上級医師でした。

その先生は、自分が休職したからだと自分を激しく責め、

入院先も変えた上に、退職されてしまいました。

残った同じ科の先生たちも、全員がご自分を責め続けています。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

二度と犠牲者を出したくありません。

どうしたらいいでしょう。


なお、本文はこちらです。

http://blog.m3.com/nana/20071120/1

さて、続きです。最後の文章ですが、答えは口に出すだけなら、あきれるほど簡単です。しかしそれを実現するのには、とてつもない労力と覚悟が必要となるでしょう。そのように考える理由を、書いていきます。

まず、どうしてこうなったのか、から書いていく必要があります。端的に言えば、政治が悪いからであり、行政が悪いからであり、それを是認する有権者が悪いのです。突き詰めて考えるなら、最後に必ず、有権者の責任にたどり着きます。具体的には、こんな責任です。

・ 医療費の抑制政策を是認し続けた、有権者としての責任
・ 患者として、医療現場に多大な負担を強要し続けた責任

この責任を考えたことのある有権者は、今でさえほとんどいないと推測されます。医療崩壊に関するニュースは、最近特に多くなっているはずなのですが。しかし何故そうなったのか、という思考をせずに済ませる人は、かなり多いのです。一言で言えば、責任感の欠如です。何かあったら常に他人のせい。それなら自分は傷つかずにすむという、人間的に見て下劣な精神態度です。

具体的にこうです。まず、有権者として医療費の削減に対して、全く文句を言いませんでした。かけるお金が少なくなれば、その分質は低下します。対価を支払いたくないから、それを正当化するために言葉を弄します。たとえば「医師は儲かっているのだから」など、実際にはとてもそうは言えない実情を目にしたとしても、目を背けて自らのエゴを主張し続けます。その傾向は、メディアとその報道態度に無批判な者たちに、特に見られます。
そして現場に対しては、徹底的な奉仕を強要し続けました。既に多くの医師が過労死しており、もっと多くの医師がその予備軍であることが予想される現実を無視して、無限定の勤労を強要し続けています。医師は自らの言い分を表明する場が、事実上インターネットくらいしかなく、その声を故意に隠蔽され、ゆがめられ続けています。医師に課せられるノルマは日々重たくなってきています。もっと少ない報酬で、もっと厳しい労働を、社会によって強制されているのが現実です。

それが、この出来事の背景です。医師の勤務環境のことに全く目を向けず、自らの都合ばかり考えた言説を垂れ流し続けてきたのは、確かにメディアの罪です。しかしその後追いをして現場の医師の勤労を無駄食いしてきたのは、患者側の人間です。この件につき、無知無告は罪を免れる理由になりません。医療の危機は、皆にとって重大な問題です。その自覚が出来ない者は、医療の受益者として、決定的に不適格です。

ここで、答え。まず、患者として態度を改める必要があります。医師に何かを求める前に、それに値する患者であったかどうか、自省する作業が必要です。せめて、医師の先生方を困らせない程度には、思慮のある患者でなければなりません。その指示は、よほど不適切でない限り絶対に守ること。治療のために必要な程度には、節制すること。もちろんですが、暴行や踏み倒しなどの狼藉は問題外です。
そして、有権者として、行動を改めなければなりません。医療に関する問題を争点として把握し、適切な投票行動をとること。現在の与党が福祉切捨てであることは、もはや論じるまでもないと思います。医療に関して、もっと実情を理解し、しっかり財政を動かせる者に、政治を主導させる必要があります。当然、福祉の改善に理解を示さないグループの言動には(財界だけではないと考えています)、しっかり注目していく必要もあるでしょう。

それだけのことを、これから先何十年も続ける覚悟が患者側の人間に出来るのであれば、あるいはこの惨劇を終わらせることも可能でしょう。しかしそれは絶望的とも、考えざるを得ません。今の世相ですが、自己批判ではなく他者を集中的に叩いて自己満足にふける、卑しい風潮が目に余ります。その限りにおいて、ほんの一部の、少数の不幸な人たちが踏み台にされ続ける事になるのではと思っています。そうした卑しいエゴイズムが、社会全体を食い荒らしているのが現実です。

現在の医療は、過酷な労働を甘んじて受け入れる先生方の存在によって、ようやく可能となっています。彼らをこのように殺し続ける社会のありようは、どこまでいっても醜悪であり、まさに救われる価値がありません。彼らの不幸の上に胡坐をかくだけの患者であり続ける限り・・・いずれ報いが来なければいいのですが。

人としてのあり方を問われるのは、医療側ではなく、むしろ患者側です。この一件から、自らの過去を顧みることが出来るか、これからなすべきことを実践できるかにより、将来の姿は変わってきます。それは、絶対に、絶対です。
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ページトップへ  トラックバック1 コメント4
コメント

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コメントなな | URL | 2007-11-21-Wed 20:15 [EDIT]
セレネ先生、ありがとうございます。
いなか小児科医先生のブログから、先生の内診問題に係る記事を拝読したご縁から、実は度々アクセスしていました。
今後ともよろしくお願い致します。
ありがとうございます
コメント鴛泊愁 | URL | 2007-11-21-Wed 22:56 [EDIT]
< なな先生 >

来て下さって感謝です。

普段はクイズゲーマーとして活動しています。リアルは会計を仕事にしています。資格があれば「先生」ですが、今はまだ途上です。この話題、あまり気がいいものではありませんが、必要とあれば機会に応じて書いていきます。また来て下さると嬉しいです。
政府
コメントDr. I | URL | 2007-11-22-Thu 22:50 [EDIT]
政府が悪い、行政が悪い。
って事は言えると思うのですけど。
元はといえば、政治家を選んだ国民が悪いって言い方もできるんですよね。

是非、国民の皆さんに、声を上げて貰いたいですね。
来て下さって
コメント鴛泊愁 | URL | 2007-11-25-Sun 20:47 [EDIT]
< Dr.I先生 >

ありがとうございます。皆が我が事と考えるようになって、そこからが始まりと考えています。このような機会ばかり増えるのは残念ですが、また書くときもあるかと思います。また来て下さればと思います。
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当直中に医師が死亡
トラックバック健康、病気なし、医者いらず 2007-11-22-Thu 22:49
非常に残念な事なのですが。産婦人科医の「なな先生」の知り合いの医師が、当直中に亡くなられました。まずはこの先生のご冥福をお祈りします。不謹慎かとは思いながら、プライバシーに配慮しながら、なんとか  [続きを読む]
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