QMA、その他ゲーム以外のことも、つれづれなるままに書いていこうと思います。どんな文章になることでしょうか。
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皆が望んだ、当然の結果
2007-08-30-Thu  CATEGORY: 医療崩壊
表題ですが、高槻の件に関する自分の感想です。ある程度事情を理解している者にしてみたら、このように思わざるを得ません。

皆さんは1年前、奈良で何が起きたか覚えておられると思います。自分も言及したのですが、共通するのは産科医が絶望的に不足している現実です。今回搬送システムを問題にしているようですが、いくら充実してみても、受け入れる産科医がいなければ何の意味もありません。この国の産科医は、今後ますます少なくなると予想されており、これからはもっと酷いことが起こるだろうと予測できてしまうのが悲しいところです。

では、何故産科医が減っているのか・・・知っている方にはその必要もないのですが、列挙してみます。

・ 過酷な勤務
・ 最低2人の安全を保障しなければならないという、リスクの高さ
・ 訴訟リスクの高さ

一般的な理由を挙げてみましたが、それだけではありません。昨年、福島で産科医がどんな目に遭ったか(正当な理由なく逮捕、刑事での起訴)。そしてこれまた昨年、奈良で産科医に周囲が何をしたか(正当な根拠のない誹謗と中傷、民事での起訴)。良かれと思ってやったことの結果、ボロ雑巾のように叩かれて終わりというのでは、誰も産科医なんてやらないでしょう(他の診療科も、大差のない状況です)。
長年、国は医療費を抑制し続けてきました。理由について、詳しくは知りません・・・厚生省(今は厚生労働省)の官吏が何を考えているかなんて、正直わかりかねますから。抑制された医療費の中、不十分なスタッフを長時間働かせないと、病院は機能しないのが現実です。スタッフは自分の生活を守りたいなら、開業してしまわないと過労死してしまいます。そうした人の話題についても、自分は言及したことがあります。
今後、国はもっと医療費を切り詰めることが予想されます。今強力な発言力を持っている財界は、基本的に社会福祉に対して冷酷で、切捨てを容赦なく進めています。そうした動きについて、有権者はまるで無関心。自分の財布には敏感なくせに、その使い方については全く考えることが出来ない者がほとんど。今回の選挙でも、医療はほとんど争点にならなかったことを、自分はよく覚えています。
一方メディアは、相変わらず無責任な言説で現場にいる医師の士気を破壊し続けています。昨年は正当な理由なしに医師や各医療機関に責任を押し付け、そのデタラメさを指摘されると開き直り。悪意ある文章を垂れ流しにして現場に対する不信感を煽るだけ煽り、その後始末は無視して都合が悪くなると逃げる卑怯さ。患者側はその尻馬に乗って現場の医師に悪態ばかりついて感謝することもなく、何かあったら「医療ミスだ」「もっと働け」(使い古した表現ですが)。

そうしたことを思い起こせば思い起こすほど、ひとつの結論に到達するのは簡単になります。以下に、自分の感想を重ねて記します。

今回の件は、皆が望んだことの、当然の結末です。これこそが、皆が医療及び医療者に対して行ってきたことの、惨めな結末です。

医療を福祉制度として扱う以上、その維持と発展のために、患者側は最低限のことだけでもしなければいけません。必要なだけの医師を養えるよう、医療機関に必要なスタッフを揃えられるよう、最低限は対価を提供する必要があります。善意で働いてくれる医師を、必要を超えて扱き使わないこと。誰も起きていない真夜中に、つまらない理由で医師を呼び出さないこと。これらのことも、場合によっては重要になります。
しかし最近は、こうしたことを顧みない人間が多くなったように思えます。この国の患者は、今受けているサービスに見合うだけの医療費を提供していません(医師の超過勤務で、ようやく帳尻を合わせているに過ぎません)が、にもかかわらず要求だけは肥大化しています。自分は待ちたくないが、自分の番になったら人を待たせても長い時間診てもらいたいと思う患者。自分は真夜中の仕事なんて想像も出来ないくせに、医師を真夜中に呼び出してなんとも思わない患者。
ここだけの話、自分は最近の世相について、ただならぬ雰囲気を感じています。自分は努力せずに、他人に努力を要求し、それができないと挙って集中砲火を加え、自分だけは安全なところでのうのうとしている精神態度。何かあったら狂ったように特定個人を叩いてみせる、異常な雰囲気にゾッとさせられることの、いかに多いことか。何かあったら医師のせい、という世相から考えて、いつ医師が離反してもおかしくありませんが。

だからこそ、自分は患者側の人間ですが、この文章を書いています。今の患者たちに、今の医療制度の恩恵を受ける資格があるかと聞かれたら、自分はためらわずにノーと答えます。義理に欠けるし、それ以上に恩義に値しませんから。せめて、自分たちが患者としてやってきたことの何がいけないのか、そこから考えるべきです。その上で、悔い改め、罪を贖うところから始めないといけません。
医療制度の大枠は政治が決めます。有権者として、現在の制度を十分維持できるだけの政策を提示している者を選ぶ必要があります。必要な対価は、惜しまず提供しなければなりません。現場で働いてくれる医師に対して、十分な報いを社会全体で与えられるかどうかで、医師の士気と医療制度の内実はずいぶん異なってきます。その必要性を、まず認識する必要があります。

医師の育成には、長い期間が必要です。人によると、10年は必要だとか・・・この問題、短期の解決は不可能です。むしろ、長い目で見た対策が必要になります。何十年にもわたって、医療は破壊され続けてきました。そういう政策を、ずっと昔から国は続けてきましたし、有権者はそれを是認してきました。すぐに良くなる、という幻想を捨てることも、必要なことと考えています。

かなり厳しい文章ですが、最後まで読んでくださって感謝です。
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コメント

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色々調べてみましたが
コメントHastur | URL | 2007-08-30-Thu 22:34 [EDIT]
産婦人科医の成り手不足が元凶で、その理由の一つが訴訟リスクなのに、減った結果でもこんな事になるとは、本当に、難しいですねぇ。

時間をかけて増やさないとどう考えても短期的に解決できる問題ではないですもんねぇ。。。
コメント灰色のガンダルフ | URL | 2007-08-31-Fri 11:39 [EDIT]
>自分は努力せずに、他人に努力を要求し、それができないと挙って
>集中砲火を加え、自分だけは安全なところでのうのうとしている精神態度

医療世界だけでなく、現在の社会環境の問題点を鋭く突いている
と思います。

コンビニやファミレスとかで、お客さんが怒鳴り散らすのを良く見ます。
逆の立場だったら、とか考えないのかなといつも思ってます。

このような社会環境が僕が“うつ病”になった一つの原因です。
職場で、持ち帰ってまで頑張る人に仕事が集中し、
相でない人は定時帰り、けど文句や要求は人一倍いう。
給料一緒で、やってられないという声をたくさん聞きました。

でも、そんな状況よりも、自分は違う、俺は頑張ってるんだからお前も、
という風に考える自分が一番嫌になったのが主因ですが。


>今の患者たちに、今の医療制度の恩恵を受ける資格があるか

患者の一人ですし、“自立支援制度”という医療制度の恩恵を
受けている身ですが、なんともいえません。

会社からの給与は既になしですが、月10万以上、税金のため、
会社に振り込んでいる身としては、その制度がなかったらと思うと
ぞっとします。

それに比べれば、長く待たされる事は全然気にならないです。

明日には職場復帰へ次ステップとして、上京します。
早く社会復帰して、貢献できるようなりたいものです。
来て頂き、感謝しています
コメントセレネ | URL | 2007-08-31-Fri 21:38 [EDIT]
< はすたあ様 >

自分がこの問題を知るようになったのは、1年ちょっと前です。それまで無知無告だった者の、せめてもの贖罪として、この文章を書いています。医療崩壊の問題は、短期的に解決することなど不可能です。何十年も続けてやってきたことの、今が結末なのですから。そのことを皆が理解しない限り、先はもっと酷いことになると考えています。おちおち、クイズゲームに興じている暇もないほどに・・・それは、とても嫌なことです。

< 灰色のガンダルフ様 >

深いレベルでのお話、ありがとうございます。ご無理はなさいませんように。無理なく、いろいろなことが考えられるようになれば、少しは前進できると思います。平穏な日々でありますように・・・
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